OEMの先駆けといえるモデルとは⁉︎
4)ジェミネット(マニア度 90%)
スズキといすゞはどちらもGMと提携していて関係が深かった。その関係で、スズキのカルタスバン(商用登録の5ドア)を、フローリアンバン亡き後の穴を埋めるべく、供給してもらったのがジェミネット。2代目となるジャミネットIIは、同じくGMと関係があったスバルからレオーネバンを供給してもらったものだった。
5)ロードペーサー(マニア度 80%)
モータリゼーションを経て、1970年代に入ると裾野が広がった日本の自動車業界。そうなると高級車への進出を各メーカーが目論むことになったが、そうそう作ることができるわけではない。そこで提携先などから調達して、自社ブランドとして販売しようという風潮が強まった。いわゆるOEMの先駆けで、マツダのロードペーサーは、オーストラリアの自動車メーカーのホールデンからHJというモデルを輸入。しかもボディまわりだけで、エンジンはロータリーで、ミッションも日本製を積んでいた。もちろん失敗に終わり、デザインが日本人好みでなかったり、環境対策への苦戦。さらに価格が高すぎるなど、散々だった。
6)ステーツマン・デ・ビル(マニア度 100%)
ロードペーサーパターンのいすゞ版で、こちらもホールデンからの購入で、エンジンはそのままV8を積んでいた。ロードペーサーのベースであるHJとは兄弟車となる。いすゞの場合はGM系列で、ホールデンも同様だったために実現したOEMだったが、マツダはまだフォードと提携していなかったから、ホールデンと契約ができた。全長5m超えの5リッターV8を積んでいて、アメ車テイスト全開だっただけに、まったく売れなかった。ちなみにイメージキャラクターは、ジャック・ニクラウスだった。
番外編)VW タロ (マニア度 100%)
タロはTAROで、もちろん日本の太郎が由来。天下のVWにそんなふざけた名前のクルマがあったのか!? と思うかもしれないが、トヨタのハイラックスのOEM車がタロだ。登場した1989年にはトヨタとVWは提携していたため、実現したものだった。もちろんあまり売れなかった。
※写真はトヨタ・ハイラックス