ヤリスは前席優先のドライバーズカー要素が強い
トヨタ・ヤリスは、ある意味、フィットとは正反対のキャラクターを持つコンパクトカーと言っていいかも知れない。キャビンパッケージは前席優先。後席はフィット、ノートと比べ、狭い。2ドアのGRがあるということからもわかるように、標準車であろうと、走りに向いたドライバーズコンパクトということだ。
確かに、エンジンが3気筒であっても、走りの楽しさ、切れ味に持ち味がある。走り好きな人がシングル、カップルズカーとして使うなら必要十分なパッケージとも言い替えられる。もちろん、HVの燃費性能は、さすが、プリウスで磨いてきた技術が生かされている。
ただし、後席の居住性、ラゲッジルームの使い勝手という点では、オールマイティーとは言いにくい(フィットなどと比較して)ハイブリッドコンパクトカーでもある。なお、このクラスのハイブリッド車で、アウトドア、災害時などに活躍してくれるAC100V/1500Wコンセント(4万4000円のオプション)を用意しているのは、トヨタのHV、ヤリスだけである。
一方、ACCの停止保持機能とともに、渋滞時はもちろん、信号待ちの多い市街地走行、スーパーマーケットなどの料金所で絶大なる便利さを誇るオートブレーキホールド機能は、旧来式の足踏み式ブレーキのため、採用されていないのが惜しまれる(フィットとノートには装備/ヤリスクロスには装備されている)。
また、グレードはX、G、Zの3タイプから選ぶことができる。