公道での暴走は怖くてできなくなるはずとの意見も
2020年6月、いわゆるルーレット族が警視庁に速度超過の道路交通法違反で逮捕され、そのドライバーのひとりが「首都高はサーキット」と供述をしたと報じられた。記憶に残っている方も多いのではないだろうか。
この事案について、直接どうこうというのではなく、あくまでも一般論として、この報道をきっかけとして、改めて公道での安全運転とサーキット走行との関係について、自動車産業界のさまざまな分野の人たちと別々の機会に意見交換してみた。
すると、皆さん意見はいろいろあった。たとえば、「サーキットでしっかり走行すれば、公道での暴走は怖くてできなくなるはずだ」という意見だ。
その背景として、次のような解釈がある。
公道では、運転経験に大きな差があるさまざまなドライバーがいて、さまざまな種類や動力性能のクルマが走っている。さらに歩行者、動物、自転車とも混在した環境にある。また、雨、雪、風など自然環境の変化も含めて、ドライバーにとって予想不能なさまざまなことが起こる可能性が高い。それは、たとえ信号機や交差点がなく、歩行者や自転車とは分離交通となっている高速道路でも同じこと。高速道路の場合、走行速度が上がる分、操作ミスによる事故のリスクも上がる。
だから、「公道で飛ばす人は、しっかりとした指導がある状況でサーキット走行をして、高速走行や運転スタイルとしてハードなドライビングがいかに危険で難しいかを体感し、同時に不確定要素が多い公道で速度超過することでの、自分自身、そして他の人たちへの危険が高まることを実感して欲しい」という意見だ。
こうした意見に近い発想の人がけっこう多かった印象がある。