ほぼ即納可能なモデルも多く存在している
2月と3月の2カ月間をメインに展開されるのが、年度末決算セール。一部メーカーでは、積極的に年度末決算セールのテレビコマーシャルをオンエアしているので、承知しているひとも多いはず。
とくに登録車では納期の関係から(年度末決算セールの実績とするには、3月末日までの登録完了が原則)、2月が年度末決算セールのメインとなる。ちなみに、他メーカーより納期のかかる傾向が目立つトヨタでは人気車を中心に納期遅延傾向となっており、2020事業年度内(2021年ま3月31日まで)に納車はおろか、登録(ナンバープレートをもらう)すらできない車種が続出している。
ウェブサイト上の出荷目処によると、ヤリス、ルーミー、クラウン ハイブリッド(4気筒)が2カ月、ライズとRAV4が1〜2カ月、クラウン ハイブリッド(V6)とRAV4特別仕様車が3カ月、ヤリス クロスのガソリンが4カ月、同ハイブリッドが6カ月となっている。
これらのモデルはこれから契約しても、ウェブ上の出荷目処によれば2020事業年度内に納車が間に合わないことになる。ほとんどのモデルが人気の高いモデルとなっており、他メーカーディーラーが「トヨタさんは……」と、新車販売業界のベンチマークのように意識しているなか、人気モデルが年度末決算セール中に納車の間に合わない車種が続出していることで、年度末決算セールも幕引きかと思ってしまいがちである。
だが、納期遅延となるモデルが目立つ一方で、納期が1カ月以内のモデルやディーラー在庫の目立つ人気トヨタ車も多いので、まだまだ年度末決算セールは盛り上がりを見せると言えるだろう。
その代表がアルファード。ディーラーで在庫を抱えるほどダブついており、値引きは拡大の一途となっている。事情通は「あるディーラーで聞いたところでは、高額なメーカーオプションとなるカーナビのついている在庫が多く、価格がアップすることもあり70万円引きからスタートしているようです」という驚きの情報も入っている。
カローラ系も、セダン、ツーリング、スポーツともに、ハイブリッドモデルは在庫も余裕があるそうだ。ノア、ヴォクシー、エスクァイア、そしてプリウスも出荷目処は1カ月以内となっており、この辺りの車種は大幅値引きがまだまだ期待できるので、そのものを購入するだけでなく、他メーカー車で購入希望車があれば、値引きアップの“揺さぶり”にも有効といえよう。
これからは、トヨタ系以外のディーラーでも「在庫車ならば……」というキーワードが飛び交うことになるだろう。そして在庫車に自分の希望にかなう車種があったら、迷うことなく契約の意思を示して値引き交渉を進めれば短期間で大幅値引きが獲得できるにちがいない。一瞬の判断ミスで希望車が他人の手に渡ってしまうこともあるので、これからは同じ購入希望者同士での在庫の奪い合いも激化することになるのである。