夜中に病院に行けない! 家に帰れない! タクシー業界を襲う「ダメージ」が庶民に与える「恐ろしさ」 (2/2ページ)

夜中に急を要する事態でも「タクシー利用」ができない

 鉄道は終夜運行どころか、東京及び隣接県では緊急事態宣言発出中のいまは終電が早まっており、これがそのまま常態化する予定。路線バスも終夜運行は行なっていないので、タクシーが唯一の深夜の公共交通機関となっていた。マイカーで移動できるじゃないかとの話もあるだろうが、飲酒していれば運転できないし、いまどき都市部ではマイカーを持っていないひとは珍しくない。

 深夜、家族に急病人が発生し救急車で救急搬送され「症状が安定したので帰っていいですよ」といわれても、タクシーがいなくて帰れない、入院している家族の病状が急変したのに、マイカーはなく、タクシーもきてくれないので行けない、ということがいま当たり前のことのようになろうとしているのである。ただこれをもってタクシー業界をせめることはできないだろう。

 政府や地方自治体の偉いひとは、運転手付きの高級車でいつでも移動できるので、「移動の足がない」なんてことは想像もつかないのだろうが、現状の庶民生活では深夜の公共交通機関の事実上の空白時間は拡大の一途をたどっているのが心配でならない。

 ここは、地方自治体もしくは政府がタクシー業界に応分の手当を出して、空白時間帯がないようにするなど対策を打って欲しいところだが、いままでの様子を見ていると庶民生活の現状把握ができていないようなので、タクシーがどんな営業スタイルで運行されているかという、“そもそも論”から“お上”に説明しなければならず、必要性を理解してもらうのには、相当の労力と時間を要するし、結果的に理解されない可能性が高いのが実状といえるだろう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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