タクシーは深夜だけでなく昼間の無線営業も減少傾向にある
1都2府8県に発出されていた緊急事態宣言は、栃木県を除いて3月7日まで延長となった。新型コロナウイルスの感染拡大が日本で起きてから1年が経過。2回目となる緊急事態宣言も相変わらずの国民への“お願い”モードでありながら、それでも大多数の飲食店が営業時間短縮などに応じ、庶民は感染拡大が早く収束することを願っている。
“わずか”とは言いながら、営業時間短縮に協力した飲食店には1日あたり6万円の補償金が支払われる。筆者が地元でタクシーに乗ると、「●●駅(筆者の最寄り駅)なんかは、夜11時になると誰も歩いていないですよ、飲食店は1日6万円もらえるからなのか、夜の8時にしっかり店を閉めるからネオンが灯っていないので街も暗いです」とのこと。
「××駅(筆者居住地域のターミナル駅)もひどいものですよ。飲食店はほとんど8時に閉まってしまいますから、多くのタクシーは深夜1時ぐらいに見切りをつけて車庫に帰ってしまいます」とも話してくれた。
さらに、「緊急事態宣言が発出される前はそれでもまともなほうでした。昼間も夜でもそこそこお客さんに乗ってもらえましたが、緊急事態宣言が出てからは、営収(営業収入)も3分の1となり、給料も数万円レベルになりました」と嘆いていた。
筆者の居住地域は東京都心部のような“流し営業(道路を走っていて手を挙げられる)”はまずなく、“駅着け(駅のタクシー乗り場につける)”と無線などによる配車がタクシー営業の2本柱となる。夜については前述したとおりに緊急事態発出後は絶望的だが、昼間のメインのひとつでもある、お年寄りの病院への通院利用も病院での新型コロナウイルス感染のリスクを嫌い、通院を控えるお年寄りが増え、無線配車が激減しているようだ。
前出の運転士はそれでも「もしかして長距離が出るかも」と前向きに考え、深夜もギリギリまでは街に出ているとのことだが、「現状では午前1時も過ぎれば商売にならないのでタクシーはほとんどが車庫に帰って街にはいません。だから深夜に何か緊急なことが起こって移動したくてもタクシーはまず利用できませんよ」とも語ってくれた。