SUV好きのレーシングドライバーが選ぶ! 「悪路最強」のヨンク車とは? (2/2ページ)

パジェロがなくなったいま国産車から選ぶならランクル

 ディフェンダーと同じ英・ランドローバー社の最上級SUVモデルである「レンジローバー」も優れた悪路走破性を誇っている。ディフェンダーと同等以上の走破性を持ちつつ、高級な本革の内装や装備で質感を高め、「砂漠のロールス・ロイス」と呼ばれた時代もあった。だが近年では、その本家「ロールス・ロイス」からも「カリナン」と呼ばれるSUVがラインアップされていて、真の「砂漠のロールス」として君臨している。

 カリナンと並び称されるのは同じ英国の超高級ブランドであるベントレー社がリリースする「ベンテイガ」だ。カリナンが独BMW社製の6.7リッターV12気筒エンジンを搭載し571馬力の最高出力を発揮するのに対し、ベンテイガは独VW(フォルクスワーゲン)と共同開発した6リッターのW型12気筒ツインターボエンジンを搭載する。最高出力は608馬力! そんなハイパワーエンジンを搭載しながらも、両車とも悪路走破性、高速安定性、快適性も高く、もちろん安全性も申し分ない。

 ただし、ずれも3000万円を大幅に超える価格設定で庶民には到底手の届かない存在であるという位置づけは変わらない。

 コストパフォーマンスから見れば、一千万円を大きく下回る価格で購入できるジープ・ラングラーやディフェンダーの存在意義は大きい。

 一方、国産モデルはどうかというと、三菱自動車が「パジェロ」の製造販売から撤退してしまった現在はトヨタのランドクルーザー、ランドクルーザー・プラド、レクサスLXが選択肢と言える。ランドクルーザーは世界の道で鍛えられ、悪路走破性は世界一級。特にクロールコントロール/ターンアシストといった独自の電子制御技術は道幅の狭い山岳路、悪路での有用性が高い。

 こうした「オフロード最強系SUV」は、どれが最強かを比べることはできない。自分の手の届く範囲で最強系SUVを選択するということは、今の時代には重要だということだ。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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