低重心でコーナリングにも優れる
ドライブモードはECO(エコ)、NORMAL(ノーマル)、SPORT(スポーツ)の3モードが選択でき、シフトレバーを操作すればDモードとBモードの二通りのブレーキモードを使い分けることができる。DモードはICE(内燃機関)車のアクセルオフ/エンジンブレーキによる減速感をシミュレートして設定されており、違和感のない減速感が得られる。Bモードではより積極的な回生ブレーキ制御が行われエネルギー効率を最大化させている。
ノーマルモードで走り始めると、アクセル操作にリニアな反応を示し、低速からも扱いやすい。BEV車にありがちな過剰なトルクピックアップを抑え、通常のクルマから乗り替えても違和感のないまま走り始めることができる。エコモードではスロットルペダル操作に対する反応がさらにマイルドになり、電費の節約もイージーに行える。スポーツモードではトルクピックアップが増すが、力強さとシャシーのマッチングが良く、丁寧にセットアップされていることがわかった。高速道路の流路での加速や追い越し時などには頼もしい加速フォールが得られ、僕なら日常走行でもスポーツを選択したいところだ。
サスペンションはフロント・ストラット、リヤ・トーションビーム方式で、ICE車と同形式を採用している。ただ車重はやや重く、フランス車特有のしなやかでストローク感のあるサスペンションの動きではなく、やや固めでロールを抑えた乗り味だ。バッテリー搭載位置が床下なので重心は低く、こう見えてコーナリングの旋回限界は高そうだった。
BEVとなると充電機能も気になるところだが、E-TENSEではコンセント型(普通充電)、CHAdeMO(チャデモ・急速充電)、ウォールボックス型(普通充電)の3方式に対応している。コンセント型では3kW/200Vで100%充電まで18時間(50km分充電は約3時間)。チャデモでは50kWで80%充電に約50分。ウォールボックス型は6kW/200Vで100%充電に9時間(50kW分充電は約1.5時間)だという。いずれにしても購入時には駐車スペースにコンセントの設置が必要となるだろう。
価格は534万円とリーズナブルに設定されている。