ヤリスには「壮大な」計画が隠れている! クロスやGRなど別モノ車が全部「ヤリス」を名乗るワケ (1/2ページ)

ヤリス&ヤリスクロスは開発チームが同じ

 2020年、登録車の新車販売トップとなったのは15万1766台のトヨタ・ヤリス。年間販売では王者ホンダN-BOXに届かなかったものの、月間でいえばN-BOXを超えることも珍しくなく、2021年こそは年間トップの座に輝きそうな勢いだ。

 とはいえ、通称名では「ヤリス」とまとめられているが、その実態はヤリス、ヤリスクロス、GRヤリスの合算である。たしかにパワートレインは同じシリーズで、スタイリングのイメージも共通となっているが、ボディパネルは完全に別物で、これを同じ車名というのは無理があると感じるのも事実。では、なぜヤリス・ファミリーとしてまとめられているのだろうか。

 ヤリスとヤリスクロスはチーフエンジニア(開発責任者)が同一人物。つまり、同じチームで開発されたわけで、当初からバリエーションを考慮してさまざまな都合をつけてきたという背景がある。そうであれば、外観としてはまったく異なるハッチバックとクロスオーバーSUVを、同じヤリス・ファミリーとして展開するのは自然にも思えるが、そうとも限らない。

 2020年にグローバルで約99万台を販売したトヨタの最多販売モデルある「RAV4」は、同じ開発チームから生まれたクロスオーバーSUVの兄弟モデルとして「ハイランダー」と「ハリアー」が存在しているのは、よく知られていることだろう。メカニズムや開発のバックボーンが共通であっても、まったく異なるネーミングで展開することもあるのだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

新着情報