本人は「鳴かず飛ばず」もその後に与えた影響は多大! 偉大なる「人身御供」なクルマ5台 (2/2ページ)

大ヒット車種につながる試金石となったモデルも存在!

3)ホンダ・キャパ

 ホンダのキャパというと、今やマイナー車に含まれるし、当時もホンダらしくないモデルという声も多かった。シンプルと言えば聞こえはいいが、実際はフツーのコンパクトハッチだった。

 しかし、今の目から見れば、大ヒットモデルのフィットにつながる試金石でもあり、シビックではないコンパクトカーを作るという点において、大いに意義があったクルマだ。

4)スバル・ジャスティ

 現在は、ダイハツのトール、そしてトヨタのルーミー、タンク(現在は消滅)と、世にも珍しい3メーカーまたぎのOEM車となっているが、初代は1984年に登場したコンパクトハッチ。ツインキャブの3バルブエンジンを積んだモデルが「火の玉ジャスティ」と呼ばれていたりした。1987年に追加登場したのが、ECVT搭載モデルで、それ以前からあったCVTの原理をもとに電子制御化して世界初で市販したのは大注目となる。

 ただし、クラッチに電気をオンオフして、くっ付いたり、離れたりする電磁パウダーを使用していて、これがかなりダメ。ギクシャクするし、耐久性がなくて壊れると散々だった。商用車のサンバーにも搭載されたこともさらに評判を悪くするなどしたが、現在のCVTはここから始まったのは事実だけに、歴史的には大注目のクルマと言っていい。

5)日産ハイパーミニ

 電気自動車は簡単に作ることはできるので、戦前からけっこうなモデルが登場していたのだが、現在のような実用的なEVとして注目なのが、2000年に登場した日産のハイパーミニだ。シャーシも含めてボディまわりにアルミを使用して、さらにパネルは樹脂製でクルマからリサイクルしたものが使われ、バッテリーはこの時代では異例のリチウムイオン電池となる。

 さらにカーシェアを前提として、ICカードをキーにしていた。リースが基本で、一般には市販されなかっただけに、実験車両として使命を終えたが、EVの日産へとつながるモデルだけとして大いに意味がある。唯一の日産完全自製の軽自動車であり、その後アウディなどで活躍するデザイナー、和田智氏の日産最後の作品としても注目だ。

※2月4日(木)16:55 一部記事内容を修正しました。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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