それまでの国産車とは違う「本物」を目指して作られた
一部報道では現行型を最後に消滅するだとか、次世代モデルはSUVになるだとか、さまざまなウワサが上がっているトヨタの最高級セダンのクラウン。
現行型は15代目となり、初代が登場した1955年から数えて今年で66年という長きにわたって生産、販売が続けられているクラウンだが、初代モデルはそれまでの国産車とは一線を画す名車だったのだ。
今回はそんな初代クラウンのすごさを改めて振り返ってみたい。
クラウンが登場する以前の日本では、欧米に比べて大きく後れを取った自動車技術を学ぼうとして海外の自動車メーカーの車両をノックダウン生産していた。日産はオースチンと、日野はルノーと、いすゞはヒルマンと、といった状態だった。
そんななか、トヨタは純国産を目標としてクラウンの開発に着手。今では一般的となった“開発主査”という制度もこのときに生まれたと言われている。
そんな背景のうえで誕生した初代クラウンは、デザインこそ当時のアメ車風のスタイルとなっていたが、ボディサイズや機構に関しては日本の実情にマッチするように開発されていた。