前を走るダンプの「砂落とし」! 後続車にしてみれば「迷惑」だが違法行為なのか? (2/2ページ)

落下物による二次災害の過失は落とした側が100ではない!

 そもそも、落下物による二次災害の責任が落下させた側にあるといっても、それは100%の賠償責任を有するという意味ではない。おおよそのイメージとして落とした側が6、衝突した後続車が4の過失割合となる。後続車にはしっかりと車間をとり、前方を注視して安全に運転する義務があるからだ。

  

 ダンプの荷台から砂が舞っている状態を認めるというわけではないが、後続車のドライバーがやるべきなのは、前方のクルマが違反だと憤ることではなく、車間距離をとるなどして自衛することである。

 もう一度書くが、落下物による交通事故の過失割合は6:4である。「道路交通法71条4号」の違反だ! とはやし立てても何の意味もない。なんらかのアクシデントが予見できるのであれば、避けるべき行動を選ぶのがスマートなドライバーといえる。

 ウィズコロナのなかで物流業界を支えるドライバーをはじめとした労働者の方々は「エッセンシャルワーカー」といわれている。物流というのは、全体でみると、われわれの生活のために走ってくれている。常識の範囲内で砂が舞っている程度であれば、後続車側で距離を開けたり、スマートに追い越したりといった対応をすべきだろう。

 なお、冒頭でも記したように「積載物の転落・飛散防止措置義務」は、すべてのドライバーに課せられている。たとえばSUVのルーフキャリアに積載したスノーボードを高速道路上で落としてしまうと、この義務に違反したことなる。

 そして、そのまま放置すると「転落物の除去義務」違反にもなってしまう。とはいえ、高速道路上でクルマを止めて落下物を拾いに行くというのはあまりにも危険だ。もし、高速道路上で積載物を落としてしまったときには、道路緊急ダイヤル#9910に連絡して、落下させてしまったことを連絡するということを覚えておきたい。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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