コンパクトカーのメリットと選び方を解説 (3/3ページ)

■人気のコンパクトカーランキング

 日本自動車販売協会連合の発表している、2020年の1〜12月登録台数統計に従って、多い順に車種を紹介しよう。

1位:トヨタ・ヤリス(15万1766台)

 トヨタ・ヤリスは以前日本でヴィッツと呼ばれていたコンパクトカーだが、世界戦略車ということもあり、フルモデルチェンジを機に日本でもヤリスに統一された。

 1リッターNAエンジン、1.5リッターNAエンジン、さらに1.5リッターNAエンジン+モーターのハイブリッドをラインアップする。

 加えてハイパフォーマンスの1.5リッターターボを積む、3ドアモデルのGRヤリスも選択可能だ(GRヤリスにはNAモデルもあり)。

※登録台数数字にはクロスオーバーSUVのヤリス・クロスも含まれる。

2位:ホンダ・フィット(9万8210台)

 ガラリとデザインを変更した4代目フィット。特徴は3代目が搭載したツインクラッチのトランスミッションにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムi-DCDをやめ、e:HEV(i-MMD)に変更したこと。これは一部エンジン直結で駆動するが、多くの領域でエンジンは発電として使われ、基本モーター駆動というシステムだ。

 また、ハイブリッド以外に1.5リッターNAエンジン車も選択可能。

 ラゲッジやシートアレンジの多彩さはコンパクトカーのなかでも圧倒的。

3位:日産ノート(7万2205台)

 登録台数で3位に入ったのは日産のノート。ただしノートは2020年12月23日にフルモデルチェンジして発売しており、ほぼ先代モデルの台数となる。

 新型ノートの特徴は純粋なガソリンエンジン車をやめ、e-POWERと呼ばれるハイブリッドモデルのみとしたこと。コチラは完全モーター駆動で、エンジンは発電のみに使われるため、電気自動車と同じような走行フィールとなる。

4位:トヨタ・アクア(5万9548台)

 2011年に登場し、10年目を迎えたハイブリッド専用車。パワーユニットは1.5リッターNAエンジン+THS2という組み合わせのみとなる。

5位:トヨタ・パッソ(3万2931台)

 純粋なガソリンエンジン車のみをラインアップするパッソ。搭載するエンジンは1リッターNAエンジン。ノーマルのパッソと、MODAと呼ばれる大きなグリルをもつ2種類のエクステリアを用意。119万9000円からという価格帯が魅力だ。

6位:マツダ・MAZDA2(2万8368台)

 デミオから名称変更し、MAZDA2というグローバルな名称に統一されたコンパクトカー。1.5リッターNAのガソリンエンジンと、1.5リッターディーゼルターボエンジンを用意する。ディーゼルが選択できる唯一のコンパクトカーだ。また、モータースポーツベースとなるハイパフォーマンスの1.5リッターNAエンジンを積んだ15MBも選択可能。

7位:スズキ・スイフト(2万8108台)

 スイフトは、バリエーションの豊富さが特徴のコンパクトモデル。まず、1.2リッターNAエンジン、1.2リッターNAエンジンのハイブリッド、さらに1.4リッターターボを積むスイフト・スポーツも揃える。トランスミッションもグレード別となるが、5速MT、5速AGS、CVT、さらにスイフト・スポーツには6速ATと6速MTが設定される。一番の魅力はスポーティな走りで、スイフト・スポーツは本格ホットハッチとしてサーキットなどでも使用される。またRSグレードという足まわりにこだわったモデルも用意。

■ランキング外のおすすめコンパクトカー

●日産マーチ

 日産マーチは1.2リッターNAエンジンを積む、日産伝統のコンパクトカー。標準車のほか、オーテックが手がけた個性的なデザインが特徴のマーチ・ボレロ、ニスモがチューニングした走りに特化したマーチNISMO、マーチNISMO Sも選択可能だ。マーチNISMO Sは1.5リッターNAエンジンに5速MTを組み合わせたホットハッチとなる。

 価格(税込)
マーチ:128万9200円〜170万2800円
マーチ・ボレロ:170万5000円
マーチNISMO:163万3500円
マーチNISMO S:187万6600円

●ホンダ Honda e

 ホンダが新たに送り出した電気自動車。リヤモーター後輪駆動のRRレイアウトを採用する。インパネが5枚の液晶モニターで構成されていたり、ドアミラーの代わりにカメラを採用していたり、スマートフォンがキー代わりになったりと、先進装備が満載されている。

 価格(税込)
451万円〜495万円

●三菱ミラージュ

 三菱伝統のコンパクトモデルであり、6代目となる現行車は2012年に登場。全世界向けにタイで生産されることが話題となった。エンジンは1.2リッターのNAのみ。マイナーチェンジでイマドキの三菱顔である「ダイナミックシールド」が採用されている。

 価格(税込)
143万2200円〜156万9700円

●ダイハツ・ブーン

 トヨタ・パッソと兄弟車であるブーン。1リッターNAエンジンのみがラインアップされる。なんとエクステリアデザインは、STANDARD、CILQ、Styleと、パッソを超える3種類が用意され、女性も選びやすい。

 価格(税込)
119万9000円〜192万6100円

●VWポロ

 フォルクスワーゲンの歴史あるコンパクトカー。質実剛健という言葉がピッタリの剛性感溢れる走りが特徴的だ。1リッターターボ、1.5リッターターボ、さらにこれぞホットハッチといえる2リッターターボを積むGTIもラインアップする。

 価格(税込)
標準車:259万9000円〜310万9000円
GTI:369万9000円

●ルノー・ルーテシア

 2020年にフルモデルチェンジして導入した、フランスメーカーのルノーによるコンパクトカー。エンジンは1.3リッターターボで、ツインクラッチ2ペダルATの7速EDCを組み合わせる。日本でも使いやすい先進安全装備&運転支援装備が特徴的。

 価格(税込)
236万9000円〜276万9000円

●プジョー208

 2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤーで、インポート・カー・オブ・ザ・イヤーを獲得したフランスメーカーのコンパクトモデル。1.2リッターターボ+8速AT車に加えて、電気自動車のe-208もラインアップする。評価の高いデザインや、立体表示のメーターを含む3D i-Cockpitが特徴。

 価格(税込)
208:239万9000円〜293万円
e-208:389万9000円〜423万円

●フィアット500

 イタリア語で500のことであるチンクエチェントを略した「チンク」の愛称で親しまれるコンパクトカー。1.2リッター直4NAエンジン+シングルクラッチATモデルに加え、希有な900cc直2ターボエンジン+シングルクラッチATモデルをラインアップ。2ドアモデルのみとなるので、後席を多用する人は乗降性を確認してから購入してほしい。

 価格(税込)
200万円〜276万円

■まとめ

 コンパクトカーは、全世界的に販売台数が稼げるジャンルゆえ、世界各国のメーカーが多数のモデルを用意している。今回紹介した以外にも、より小さなVW up!やルノー・トゥインゴ、スマート・フォーツーなども選べるし、ミニやアウディA1、シトロエンC3といったモデルも揃う。比較すべき車種が多いので、自分に何が必要かをシッカリと決めて選んでほしい。


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