コンパクトカーのメリットと選び方を解説 (2/3ページ)

■コンパクトカーがおすすめの人

 コンパクトカーは、万人にオススメできる数少ないジャンルだ。たとえ狭めであるとしても、後席もラゲッジにしても、シッカリと実用性を考えて作られているため、ファミリーユースでも十分にファーストカーとして使用できる。

 また、男性的なものから女性的なもの、大人に似合う落ち着いたものまで、エクステリアデザイン、インテリアデザインに各車工夫を凝らしているため、性別、年齢を問わずに乗ることができる。

 ただし一部車種を除いては、実用性重視で燃費を追求している車種が多いため、いわゆる昔のホットハッチと呼ばれるクルマのように、スポーティな走りを求める人には向かないモデルがほとんどだ。

 さらに普段使いに必要十分なパワーユニットを搭載していて、高速でも十分な走りをもたらすモデルがほとんどだが、頻繁に長距離を走行する人は、もう少し余裕のあるクルマを選んだほうが、疲労の少ないドライブが可能だろう。

 また、後席にゆとりのあるモデルを選んだとしても、乗車定員いっぱいの5名乗車はかなり厳しい。内2名が子供だとしても、チャイルドシートやジュニアシートは大人と同じぐらいの幅になるため、もし頻繁に5人乗車となるファミリーであれば、ミニバンを選ぶべきだ。

■コンパクトカーの選び方

 コンパクトカーは人気ジャンルゆえに選択肢が豊富だ。国産メーカーのモデルだけでも数多くが選べる上に、輸入車も含めれば相当な数になる。もちろん、クルマを購入するとなればほとんどの人に予算制限があるため、まずは予算内で買えるクルマを選択することになる。だが、もし250万程度の予算を見れば、ほとんどの車種が候補に入ってくる。その場合にはどう選ぶべきだろうか?

 当然、外観や内装のデザインは、その後にクルマをずっと気分良く乗れるかどうかに関わってくるので、重要だ。だがこれは個人の好みでしかない。

 そうなるとまずはパワートレインだ。選べるのは、ガソリンエンジン、ハイブリッド、ディーゼルである。一般的にハイブリッドは燃費に優れるため、年間走行距離が多いひとはハイブリッドを選ぶことで日々の燃料代が安く済む。とはいえ、同じモデルで比較した場合、ハイブリッドのほうがガソリンエンジン車よりも車両本体価格が高いため、それを燃料代の差で埋めることは基本的に不可能だ。ではハイブリッドを選ぶメリットは何かといえば、先進性のある乗り味、モーター特有の発進時のトルクフルな走りである。多くの車種でガソリンエンジン車よりもハイブリッドのほうが、トータルでのパワー&トルクも上位に位置づけられているため、大人数で乗る、長距離移動をする、といった人はハイブリッドを積極的に選びたい。

 また、先ほど価格差の話をしたが、乗りつぶし派はまずその差を埋めることはできないものの、たとえば5年で買い替えるような人は、ハイブリッドのほうがリセールバリューが高いため、初期投資さえクリアすれば損をするようなことはない。

 もうひとつ、マツダ2にだけラインアップされているディーゼルだが、特徴としては低速トルクが大きいために発進が鋭いこと、燃料の軽油がガソリンよりもかなり安いためにハイブリッドよりも燃料代が安く済むことが挙げられる。こうして考えるといいことずくめのディーゼルだが、高速域の伸びでいえば総じてガソリンエンジン車のほうが優れており、またエンジンが発する音という意味では、EVモードをもつハイブリッドに分がある。

 続いて見るべき点は後席だ。コンパクトカークラスは、その名前が示すとおり小さなボディが特徴であり、室内の容量も限られる。多くのコンパクトカーは、大人4乗をラクにこなせるような室内の広さをもっているが、それでも座り心地や居住性に結構な差がでてくる。たとえば座面の高さや、シートクッションの硬さ、前席シート下につま先が入るかどうかなどが異なる。さらに難しい問題として、体重や体系によって、快適なシートが異なるということが挙げられる。従ってファミリーなどで後席を積極的に使う可能性があれば、後席に主に乗るひとが実際に座って判断するのが正解だろう。

 もうひとつ、ラゲッジも車種によって大きな違いが現れる場所だ。カタログにリットルで容量が記載してあるが、当然形状は含まれない。小さいものであれば問題ないが、たとえば趣味である程度の大きさがあるものを積載するのであれば、ラゲッジ室内の形状が影響をしてくることがあるので、要確認だ。

 また、コンパクトカーのほとんどが、後席シートバックを前倒しすることでラゲッジルームを拡大することができる。だがここにも違いが現れる。とくに気にすべきはシートを倒したときに段差ができるか否かだ。長尺物を積むのであれば、段差で折れる可能性もある。大きいものを搭載することが考えられるならば、段差がない車種を選んだほうが無難だ。

 さらにラゲッジでいえば、地面からラゲッジ開口部下端までの高さもチェックしておきたい。とくに小柄な女性は重い荷物を少しでも持ち上げずに載せられるほうが、日常の使い勝手がいいことは間違いない。できるだけ低い車種を選ぶべきだろう。


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