「方向感覚」さえ狂わせる恐怖の「ホワイトアウト」! その実態と走行中の対処法とは (2/2ページ)

安全を確保することが大事だが……

3)ヘッドライト点灯で視界が悪化することも

 ライトを点けて周囲のクルマに存在をアピールと思うが、闇雲にヘッドライトを点けると前方の雪に反射して、さらに見にくくなることもある。とくに夜は真っ白く光るようになって、視界はさらに悪化する。ただしライトは重要で、フォグランプが付いているなら、スモールランプ(車幅灯)にして、点ける。フォグランプは一般的にヘッドライトより下、バンパーに埋め込まれているので、下から照らしてくれ、反射を抑えてくれる。また普段は迷惑なバッグフォグもこういうときは非常に効果的なので点灯すると後続車へのアピールになる。

4)止まるなと言われても……

 視界はあっても数メートルで、ゼロ視界に近いだけに、止まると後ろから追突される可能性があるため、少しずつでもいいので進むというのが基本とされる。理屈的にはそうだが、すでに紹介したように目が回るような状況では難しいことも多い。そうなると止まるしかなく、少しずつ速度を落としつつ、とにかく後続車へとアピールすることが大切。ブレーキを軽く踏んで、ブレーキランプを点灯させつつ、できるだけ細く長いイメージで少しずつ減速。路肩に止めれるところがあればそこに入れ、ない場合はできるだけ寄せて止めるが、手前で発煙筒を点けて窓から路面に投下して、前方でなにかが起こっていることをアピールしてスピードを落としていく。

 以上、4つのポイントを紹介したが、そのほかにもボディカラーによる視認性の違いは、実際に真っ白な吹雪のなかで大いに違ってくる。当然のことながら、白は溶け込んでしまって存在がわからなくなるし、濃い色なら逆。さらに止まった際に車外に避難するか、そのまま車内に居続けるかの判断は非常に難しくて、一概に「こうしたほうがいい」とは言えないが、少なくとも言えるのは走行不能で、路上に緊急停車するような状況ではとにかく怖いのは、後続車が突っ込んでくること。車外に避難するというのも選択肢のひとつに考えておいたほうがいい。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

-

愛車
フィアット500(ヌウォーバ)/フィアット・プント/その他、バイク6台
趣味
レストア、鉄道模型(9mmナロー)、パンクロック観賞
好きな有名人
遠藤ミチロウ、岡江久美子

新着情報