ヴェゼルの新型を「予想」しつつ4台を比較
クロスオーバーモデルの人気は相変わらず絶大だが、コンパクトSUVにも電動化の流れは押し寄せ、今では最新の三菱エクリプスクロスPHEV、e-POWER専用車の日産キックス、おなじみのプリウスベースのトヨタC-HR、さらには今春フルモデルチェンジが予定されているホンダ・ヴェゼルのe:HEVモデルなど、2021年春には、扱いやすく買いやすい、コンパクトクラスの「電動」SUVが出揃うことになる。
ここでは、エクリプスクロスPHEV、キックス、C-HRを徹底比較。新型ヴェゼルは予想の範囲で比較に加えてみたい。
まずは各車のポイントとして、オールラウンダーな性能が求められるSUVだけに4WDが用意されているかを検証すると、意外にもキックスとC-HRの電動モデルはFF専用車なのである(C-HRに関しては、現行プリウスにE-FOURの4WDがあるのに!!)。つまり、悪路にも強い電動SUVを狙うなら、エクリプスクロスPHEV、新型ヴェゼルe:HEVの選択となるだろう。とくにエクリプスクロスはアウトランダーPHEV譲りの、三菱自慢のS-AWDを採用し、ドライブモードにはノーマルのほか、スノー、グラベル、ターマックまで用意されているから、このクラスの電動SUVのなかでは最強のオールロード性能を持っていることになる。
ちなみに新型ヴェゼルの4WDはおそらく、現行ヴェゼルが採用しているリアルタイム4WDを採用し、本格オフロード向けというより、滑りやすい路面、雪道程度で威力を発揮するタイプとなるはずだ。
走破性にかかわる最低地上高はどうか。数値を並べると、エクリプスクロスPHEV=185mm、キックス=170mm、C-HR=140mm、ヴェゼルの現行車FF=185mm、4WD=170mmとなっている。 やはり、最低地上高に余裕があるのは、エクリプスクロスPHEVとヴェゼルということになる。C-HRの最低地上高は一般的な乗用車レベルと言っていい。
電動車だから燃費に期待して同然だが、WLTC総合モードで上位から並べると、2モーターのストロングHVのCH-R=25.8km/L(FF)、キックス=21.6km/L(FF)、ヴェゼルの現行型HV(現在はカタログから落ちている)=21.0km/L、そしてエクリプスクロスPHEVが16.4km/Lとなっている。新型ヴェゼルはe:HEVの新採用で、さらに燃費性能を伸ばしてくることは必至と思われる。ただし、上記の比較はそれぞれ駆動方式が違うため、単純に優劣は付けられない。
EV走行可能距離は、PHEVのエクリプスクロスがダントツに有利であることは間違いない。何しろ、モーターだけで走れるプラグインレンジはWLTCモードで57.3kmに達するのだ。また、エクリプスクロスとキックスe-POWER、ヴェゼルe:HEVは、駆動はおもにモーター(エクリプスクロスは前後モーターによるAWD)、エンジンは主に発電に使われ、トヨタ方式のHVであるC-HRとは電動駆動に対する方法が異なることも理解しておきたい。