墜落=死の危険の思想が根付く! SUBARU車に「元航空機メーカーらしさ」を感じるところ【その1】 (2/2ページ)

アメリカでの支持も重要な意味を持つ

 元富士重工業ボディ構造設計の室田公三さんは「モノコックボディの応力解析なんて、もしよそのメーカーだったら若い技術者にやらせてもらえなかったでしょうね。そもそも、当時の他社は自分のところでボディを作っていなかったと思います。サンバーを作るときにシートを作る会社を見に行ったら、そこで他社のクルマのボディが作られたりしていました」と語る。

 黎明期のSUBARU車の開発に携わった元エンジニアの目に、現代のSUBARU車はどのように映るのか尋ねてみると、福島氏は「現行型の安全と信頼性を重視する姿勢にはとても深く共感し、昔からの伝統が継承されていることを実感できて嬉しい」という。

 続いて福島さんは「飛行機は墜落すると重大な事故になり、設計や整備には人の命をかけた確実な仕事が求められます。飛行機と比較すれば、クルマは止まっても即死亡事故につながる可能性は低い乗り物といえますが、たとえばアメリカ中部の砂漠のような厳しい環境でクルマがエンコすると死に直結します。アメリカでSUBARU車の人気が高いのは、そういう命に関わる信頼性や走破性の高さが評価されているからなのです」と熱く語る。

 今のSUBARUの北米市場傾注ぶりを好ましく思わない日本のユーザーも少なくないが、やはりアメリカで支持されることも重要だ。

 アイサイトやAWDなど、今のSUBARUが武器とする安全と走破性のためのシステムにも同じことがいえるはず、とのこと。

 黎明期の設計思想が今日にも受け継がれているからこそ、今のSUBARU車は安全性において世界的なトップクラスを誇れているのだろう。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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