国と都道府県が建設・管理費用を分担している道路は無料
日本の高速道路は、その巨額な建設費用や維持費を、利用者にも負担してもらうために、距離に応じて通行料を支払うのが基本だ。現行の法律では、2065年までに日本道路公団時代の債務の返済を終えて、そのあとは無料化することになっているが、それに先駆け、すでに一部無料の高速道路がある。
たとえば、鳥取県の鳥取自動車道の通行料金は「無料」。北海道横断自動車道黒松内釧路線の一部や、中部横断自動車道の佐久北IC~八千穂高原IC、四国横断自動車道の西宇和島IC~宇和島北ICなども無料区間となっている。
※写真は中部横断高速自動車道
なぜこれらの高速道路は無料で通行できるのか。
それは、「新直轄方式」で整備された道路だからだ。
「新直轄方式」とは、小泉内閣の構造改革で道路公団民営化が検討され、道路公団民営化にあたり、不採算路線等の建設を目的に国土交通省が主体となって、税金による整備方式として導入されたもの。
要するにNEXCO=高速道路会社は費用を出さず、国と都道府県が建設・管理費用を分担している道路なので、利用者から通行料を徴収する必要がないというわけ。
また東日本大震災で大きな被害を受けた東北地方では、全長570kmもの復興道路・復興支援道路が整備され、三陸自動車道などは、日本最長320 kmを超える無料区間の高速道路となる。
これらの高速道路の無料区間は、そのまま有料区間の高速道路とつながっている場合が多いので、あくまで無料区間しか利用しないという人は、料金所の手前というか、無料区間の終点を見落とさないように気をつけよう。