ワンペダルは環境問題の解決や安全向上にも役立つ
アクセルペダルのワンペダル操作については、日進月歩で操作性が改善され、多くの人が違和感なく利用できる水準に到達しようとしている。またこの機能は、モーター駆動であることが要であり、それは電動化による環境問題の解決に大きく貢献する。
さらに、ワンペダル操作を身に着ければ、運転操作が減るのでクルマでの移動が楽になる。
そのうえで、高齢者を中心にペダルの踏み間違い事故が目立っているが、事故に至らなくてもペダル踏み替えの際には、0.7秒の空走時間が生じる。運転の技量によっては、1秒近く何のペダル操作もできず走り続ける状態が生じる。
この1秒という時間は、たとえば時速20kmでゆっくり走っていても、5.5m以上前へ進んでしまう。このとき、モーター駆動であることにより、ワンペダル操作でパッと素早くアクセルペダルから足を離せば、強い回生が働き、クルマは減速する。
つまり、これまでペダル踏み替えで生じる何も手を打てない空走時間に、回生で速度を落とすことができるのである。それは、衝突までの速度を下げたり、場合によっては衝突を避けたりすることもできる可能性を広げる。
ワンペダル操作は、単に電気自動車(EV)などモーター駆動の面白い特徴ということではなく、安全向上にも役立つことなのだ。
技術には、素性の良い技術と悪い技術があるという人がいる。それを成し遂げる困難はいずれも同様だが、素性の良い技術であれば、その成果は複数の効用をもたらす可能性もある。その技術が、どのように人の役に立ち、万人を幸せにするか、そこを見極めることが大切だ。