見た目と使い勝手のバランスがとれているのは5ドア
初代RAV4やHR-Vが現役だった頃に、開発陣に聞くと、「結局、ラクに乗り降りしやすいほうがいいという声のほうが大きい」という答えが必ず返ってきた。それを言ってしまうと、そもそもの3ドアだけでなく、そのモデル自体の存在意義がないような気もしてしまうが、「ユーザーとしては5ドアでも十分デザインコンシャスと感じている」となるようだ。
そもそも、SUVが人気なのは、まずはクロカンのような泥臭さのないアカ抜けたデザインなわけで、3ドアでさらに高みを目指さなくてもいいということだろう。また使い勝手としてもワゴンのように多人数が乗れて、荷物もたくさん積めるというのがあるだけに、わざわざ乗り降りのしにくい3ドアを選ぶ理由は薄いとも言える。
セダンに対する2ドアクーペでも同じことが言えるが、最近では実際に乗り降りしたことがある人はあまりいないかもしれない。後席ドアがなく、前席は倒れるだけ。その前席越しに出入りするのは実際、非常に大変だ。
BMWのX4やX6はSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)と呼ばれるが、こちらも5ドア。またC-HRやランボルギーニのウルスなど、デザイン手法の進化で5ドアでも3ドアっぽく見せることができるようにもなっているだけに、わざわざ使い勝手に欠ける3ドアを作らなくてもいいという判断もあるだろう。