万が一のトラブルを考えると気安く整備などは受け付けられない
輸入車とひと口にいっても、大きく分けて2種類が存在している。ひとつは、本国のメーカーの日本法人や、本国のメーカーと契約を結んだインポーターが販売する「正規輸入車」。そしてもうひとつが、そういった正規輸入をしているところ以外のルートで輸入して登録した「並行輸入車」だ。
並行輸入が存在する理由は、そもそも日本に正規輸入販売元が存在しないメーカーの車種はもちろんだが、車種としては日本にも正規輸入されているものの、欲しい仕様が輸入されていない場合や、人気が集中し過ぎて納期が未定のようなモデルを本国から直接輸入するなど、さまざまである。
そんな並行輸入車は、正規輸入元でメンテナンスをしてもらおうとしたときに煙たがられる可能性がある。その理由はなんなのだろうか?
たとえば、日本にも正規輸入ディーラーが存在するブランドのモデルで、その車種は正規輸入されていなかったとする。となると、日本のディーラーにはその車種の情報はほとんどないと言える。いくら正規ディーラーであっても、導入していないモデルのデータは持ち合わせていないし、当然部品などのデータも在庫もないだろう。
また、日本にも正規輸入されている車種であっても、並行輸入車となると日本で販売されている仕様と細部が異なっている可能性がある。とくに最近のモデルはコンピューターによる統合制御がなされている車種も多く、アンマッチな部品を使うことで重大なトラブルを引き起こす原因にもなりかねないのだ。
そうなると、たとえメンテナンスをしてあげたくても情報がなければお手上げ、というのが実のところということになる。決して面倒だからとか、その店で車両を購入していないからといった理由ではないのである。
そのため、並行輸入車の購入を検討しているのであれば、正規ディーラー以外のしっかりとしたメンテナンスができる場所を確保してからでないと、些細なトラブルも修理することができない……という状況に陥りかねないのだ。