欧州で一気に増えてきたプラグインハイブリッド車
ところが、2010年代半ばになると、欧州車でプラグインハイブリッド車のラインアップが増え始める。
背景にあるのは、欧州CO2規制。これは、欧州連合(EU)の執務機関である欧州委員会(EC)による環境政策の一環で、実質的な燃費規制にあたる。その規制の内容は、日本、アメリカ、中国などと比べて厳しく、日系メーカーのエンジン開発者の多くが「当面は欧州CO2規制への対応を第一とした開発が必須だ」というほどだ。
こうした欧州CO2規制にクリアするために、机上で試算すると、欧州ではプラグインハイブリッド車や48Vマイルドハイブリッド車が当面の対策となり、その上でEV普及を目指すことが想定される。こうした法則のもとに、欧州メーカー各社は自社の生産・販売体制を構築しているのだ。
また、欧州メーカーにとって重要市場である中国でも、NEV(新エネルギー車)規制と中国版CAFE(企業別平均燃費)のよる、いわゆるダブルクレジットに対応するために、中国市場へのプラグインハイブリッド車導入を急ぐ必要が出てきた。
日本メーカーとしても、欧州市場と中国市場に対する電動車戦略では、プラグインハイブリッド車とEVに重きを置いた開発を進めている。結果的に、ハイブリッド車は日本市場で突出して普及する状況が当面続くことになりそうだ。