トヨタの全店併売化によって同車種の値引き競争が熾烈を極める
スズキの新型ソリオが登場して、再び脚光を浴びているのがトヨタ・ルーミー。ボディサイズやキャラクターからいけば、ソリオとルーミーはライバルといっても構わないのだが、販売現場で聞くと、ほとんど両車が商談で競りあうことはないとのこと。
2020年5月からはじまったトヨタ系正規ディーラーでの全店併売化がよりその傾向を大きくしているようだ。現在でも多くの地域ではトヨタ系正規ディーラーは、トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店と4チャンネルがそのまま存在し、その多くがおたがい別資本の会社となっている。そのなかで、トヨタは2020年5月に全店でトヨタ車を全車買えるようにしたのである。
つまり、トヨタ店専売だったクラウンや、カローラ店専売だったカローラなどが、どこのトヨタ系ディーラーでも購入できるようになっただけでなく、トヨタ車全車を4チャンネルのディーラーそれぞれで商談し、同じ車種の値引きを競わせることが可能となったのである。
ルーミーはデビュー時にはタンクという兄弟車がおり、ルーミーはカローラ店とトヨタ店、タンクはトヨペット店とネッツ店が取り扱い店となっていたが、2020年5月以降はどこでもルーミーとタンクが買えるようになった。全店併売後にはルーミーのほうが販売台数の多い傾向が顕在化、2020年9月のマイナーチェンジではルーミーに一本化された。
ルーミー&タンクはデビュー時には、車両本体価格からの値引きがかなり渋く、“基本3万円”となり、用品からの値引きなどを含め10万円を少し超えるぐらいであったと聞いている。しかし、その当時のソリオの値引きは20万円を超えるケースもよく耳にすることもあり、驚いたことを覚えている。