クイックな動きには小径ステアリングが有利
また、国産車の場合、高速走行よりも車庫入れや方向転換などがしやすいことを重視し、操舵力の軽い大径ステアリングのメリットを採用するクルマが多かった。とくにパワステのないFF車はハンドルが重かったので、小径ステアリングは不向きだった。
一方で大径ステアリングは、ハンドルが軽くなる分、操作量が大きくなり、クイックな動きは望めない。スポーツカーでワインディングを小気味よく駆け抜けるには、小径ステアリングの方がよりシャープでフィーリングもよかったので、走り屋たちの間では、ノーマルのステアリングホイールから、小径ステアリングに交換するチューニングが定番だった時代もある。
しかし、パワーステアリングが普及してからは、軽さの問題は解決し、操作性だけが問われるようになったので、現在は360φ~380φぐらいがスタンダード。
パワステがあるからといって、あまり小径にしすぎるとデリケートで神経質な操作性になるので、スポーツカーでも360φぐらいが使いやすいサイズだといえるだろう。