とっさの判断が遅れてもクルマの設計上の余裕があると危険も激減
3)最低地上高が確保されている
3つ目のポイントは、最低地上高の高さがしっかり確保されていること。コンパクトカーの最低地上高は、140mm前後が一般的です。きれいに整備された舗装路では、それでまったく問題なく走れるのですが、たとえばちょっと盛り上がったマンホールのふたとか、木材が車線の真ん中に落ちていた、なんてときには速度を落としてゆっくり越えたり、迂回したりする判断が必要になるでしょう。
雪が降ったあとに、氷のかたまりがボコボコと散らばっているようなシーンもよくありますが、そんなときも気を使います。でもコンパクトSUVなら、最低地上高が170〜190mmくらいあるのが一般的なので、そこまで神経質にならなくても大丈夫。初心者はとっさの判断が遅れがちなので、余裕があると安心ですよね。
4)凹凸を気にしなくてもよい
4つ目のポイントは、アプローチアングル&デパーチャーアングルが確保されていること。先ほどの最低地上高は、平坦な道に小さな障害物がある場合や、凸凹があるような場面で威力を発揮するものでしたが、アプローチアングルはボディの先端、デパーチャーアングルはボディの後端が路面と干渉しないように確保された、バンパーとタイヤをつないだ線が地面となす角度のことです。
たとえば、ダイハツ・タフトのアプローチアングルは27度ですが、これは27度の急坂に前進してもバンパーが地面と干渉しないということ。本格クロカンSUVのスズキ・ジムニーともなると、アプローチアングルは49度もあります。「そんなハードなオフロードにはいかないよ〜」という人も、ちょっと待って。
ときに、すごい凸凹が連続している踏切があったり、都心の地下駐車場に進入する下り坂も、けっこう角度がきついところがあったりしますよね。そんな場面でもアプローチアングルがしっかり確保されていれば、なにも気にせずスイスイと走っていけるのです。市街地でも安心なんですね。
5)ホイールをこすりにくい
さて5つ目のポイントは、高扁平タイヤを履くことが多いため、縁石などにホイールをこすりにくいこと。最近の新型車はみた目のカッコよさや、スポーティな走行性能を重視して、低扁平タイヤを履かせる傾向が強くなっています。そうすると、ホイールが占める面積が大きくなるので、路肩に寄せて止めようとした瞬間に「ガリガリッ」とホイールをこすってしまった、なんてことになりやすいのです。
それって、ヘコみますよね。SUVはスポーティなコーナリング性能などにかたよらず、雪道やオフロードでの走行性能も重視していることが多いため、ゴムの厚みが大きい高扁平タイヤを履かせるので、こうしたところでもあまり神経質にならずにすむのが嬉しいですね。
というわけで、初心者や運転が苦手な人こそSUVに乗るべき、とオススメするポイントをご紹介しました。ベテランドライバーでもSUVに一度乗ると、もうセダンやコンパクトカーには戻れない、といわれる理由もわかりますよね。初心者の場合には、ボディサイズやデザイン、リヤウインドウ面積などいくつかのこだわってほしいポイントはありますが、もしかしたら苦手意識を払拭できるかもしれませんので、SUVにトライしてみてほしいと思います。