赤色灯の装備は回転させていなくても許されない
そして一番ダメなのが赤色灯の装備だ。回転させなければ大丈夫なのでは、という意見を聞くこともあるが、そもそも装着自体がダメ。道路運送車両保安基準第42条で、赤色灯を備えるのは緊急自動車とあるので、ただのレプリカでは違法となってしまう。だからドラマなどに使われる劇中車については移動中にカバーがかけられていて、さらに「劇中車」の文字も付いていたりするのはこのためだ。保管中は私有地だし、ドラマのロケは警察の許可が出ているので問題はない。
それでは赤以外ならいいのかというと、回転灯自体が厳しく制限されている。そのなかで、最近よく見かけるのが、自治体などが公共サービスとして実施しているいわゆる「青パト」だ。ボディは白と黒でパトカーに近く、ボディサイドには自治体などの団体名とサービス名、警備会社名などが入っていて、夜ともなれば回転灯をピカピカと点灯させている。
じつは青色の回転灯も使用は厳しく制限されていたものを、昨今の治安悪化や防犯意識の高まりに合わせて、国土交通省が緩和して、現在は10万台ほどが稼働しているという。ただ、緩和されたといっても、非常に条件は厳しくて、警察に各種書類を提出して許可をもらったあと、陸運事務所で車両についての届け出、変更もしなくてはならず、コスプレ感覚で誰でも自分で作って走れせられるものではないのであしからずだ。
最後に警察官の制服に似た服装で街を歩くのは、冒頭に紹介した事件のように本物と見間違えるようなら違法。警察官の制服は法律に定められたもので、それに似せて作ったものを着るということ自体が法律で禁止されているからだ。要は紛らわしいものはダメで、警察モノでもミニスカポリスみたいにどうみても警察官ではないとすぐにわかるなら、とくに問題はない。
黄色や緑の回転灯の使用は限定されていて、いずれにしても周囲へのアピール力が高いものだけに、当然のことだろう。ましてや赤色灯は点灯させていなくても、見るだけでパトカーや消防車、救急車などの緊急車両とすぐに認識されるだけになおさらだ。