「サポカー」は概念であり海外では通じない
最近、クルマに関する記事でよく見かける、ADAS(エーダス)。アドバンスド・ドライバー・アシスタンス・システム(先進運転支援装置)のことだ。
商品名では、スバルのアイサイト、日産のプロパイロット、ホンダのホンダセンシング、マツダのi-アクティブセンス、そしてトヨタのトヨタセーフティセンスなどである。機能としては、各メーカーで若干の違いはあるが、大まかな内容は似ている。
もっとも重要なのが、前方に対するシステムだ。カメラ1つ、または2つ、さらに77GHz帯域のミリ波レーダーを連携させる場合が多い。いわゆる自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)である。
後方については、斜め後方からの追い抜きや、後退時に横方向からの接近には、24GHz帯域のミリ波レーダーを用いた検知機能が一般的だ。
また、ボディの前後左右に赤外線センサーを配置して、駐車時に壁などの接近の度合いを音と車内表示でドライバーに知らせたり、停止状態または極低速走行時のアクセルとブレーキの踏み間違い防止を行う機能も一般化してきた。
こうしたADAS機能を持つクルマを近年、サポカーと呼ぶことがある。サポカーは、日本の経済産業省が高齢ドライバーによる事故防止を啓蒙するために考案した「概念」だ。その上で、サポカーと呼べる性能については国土交通省が基準を策定している。
つまり、サポカーは日本固有の表現であり、海外でサポカーと言っても相手にはまったく通じない。