自然と電動車へシフトしていく可能性は十分にあり得る
こうしてガソリンの販売量が減るような政策を唱えることで、ガソリン販売から撤退を考える業者も増えるでしょう。さらに地方自治体はガソリンスタンド新設における認可権も持っています。ガソリンエンジン車の販売を禁じなくとも、ガソリンスタンドが減少していくトレンドが顕在化すれば、おのずと市場はゼロエミッションビークル(ZEV)を選択するようになります。
そうなるとHEVを含めて、既存のエンジンを積んでいるクルマのオーナーは不便を被ることになります。さすがに日本の憲法からすると所有しているガソリンエンジン車を廃棄するような法律は生まれないでしょうが、どんなにエンジン車を大事にしようと思っていても、ガソリンを入手するのに苦労するようになるといつまでも乗り続けるという気持ちがくじけてしまうオーナーも出てくるでしょうし、メンテナンスを請け負う業者も減るでしょうから、ガソリンエンジン車の維持が難しい状況になってしまうことは考え得る未来です。
というわけで、「ガソリンエンジンの乗用車は新車販売を禁ずる」という方針に強制力はないと思われます。しかし、そうした方針を示したことでエンジン車を動かすために必要なガソリンインフラが貧弱になっていき、結果としてHEVを含んだガソリンエンジン車を走らせることがストレスになる状況になる可能性は否定できない……かもしれません。