変顔クルマとして名前の挙がるクルマも男子ウケはいい!
3)ダイハツ・ミラトコット
続いては、これぞ男性には理解しにくい「かわいい」の代表かもしれない、ダイハツ・ミラトコット。とにかくシンプルで角がとれた四角いフォルムといい、パキッとした色が1つもないボディカラーのラインアップといい、男性が考える「かわいい」とはまったく別の感性で作られ、「手抜きじゃないの?」と言う男性さえいるほど。でもこの感じが、今の女性にはとてもハマるのです。
例えるなら「無印良品」のような、これといって特徴はないシンプルさだけど、素の自分に合いそうだな、ずっと愛用できそうだな、と思える魅力があるんです。
販売台数があまり芳しくないのは、子育て中だからスライドドアじゃなきゃとか、自転車積めないとダメだとか、本当はミラトコットがツボだけど買えない、という女性特有のライフスタイル事情がネックになっているのではと考えられます。もし「ミラトコットキャンバス」なんて出たら、それはそれで人気が出そうな気がするんですけどね。
4)ランチア・デルタ・インテグラーレ
さてお次は、過去に日本で一世を風靡したイタリアの名車、ランチア・デルタ・インテグラーレ。これはもう、90年代のWRCでの活躍のおかげもあって、憧れる男性が続出。マルティーニカラーのカラーリングのレプリカで乗ったり、日本の夜道ではまったく必要ないのに、4連フォグランプをフロントに装着して走ったりしていたものでした。
でもこれ、まったく理解できないという女性がほとんど。赤や黄色といった目立つボディカラーが多かったこともあって、デートに乗ってこられたらイヤなクルマNo.1だと囁かれていたことも。実際に、黄色いデルタでデートに乗り付けたら、彼女に乗車拒否されたという体験談も耳にしたものでした。
もし乗ってくれたとしても、エンジン音はうるさくて会話もままならないし、足は硬くて乗り心地も悪いし、なかなか女性には厳しいクルマですね。
5)フィアット・ムルティプラ
最後は、世界一醜いクルマという不名誉な称号を与えられてしまった、フィアット・ムルティプラ。前席3人、後席3人という変わったシートを持つ6人乗りミニバンとして、1996年のパリサロンで登場したモデルです。日本でも2003年から販売されていました。
ぽっこりとした「おでこ」のようなフロントガラスや、丸目ライトがついただけのちょっと憎めない表情をしたフロントマスク。横幅が大きくぽってりとしたボディなど、確かにどこを見てもかっこいいといえる要素はないように思えます。
でも、ごく一部ではあるのですが、クラシックカー好きの男性は私たちとは別の視点で見ているようで、ムルティプラのデザインにどこかクラシックな要素を見つけたり、機能がそのままカタチになったという飾らないシンプルさを感じたり。じつはコアなファンがいるクルマなんです。ただ、それも女性はちょっと理解に苦しむかもしれませんね。
というわけで、世のクルマたちはどこかしらに「かっこいい」や「かわいい」が当てはまるデザインだと思います。それが男女で一致するクルマというのは、あまり多くはないのかもしれないですが、それでいいのではないでしょうか。乗る人によっていろんな表情や雰囲気が感じられるのが、クルマのデザインの奥深いところ。ぜひ皆さんも「えーっ、どこが?」と罵倒されるのを恐れずに、周囲の人とクルマのデザインを語り合ってみて欲しいと思います。