各サーキットで多種多様なセーフティカーが活躍
コースアウトや天候の急変などさまざまなハプニングに対応するために、レース中にたびたび登場するセーフィティカー。文字どおり、各エントラントやオフィシャルの安全をはかるべく、競技車両を先導しながら速度をコントロールするマーシャルカーのひとつで、世界選手権などの主要シリーズでは自動車メーカーの協賛のもと、ひとつのモデルがシーズンを通して採用されている。
たとえばF1では「メルセデスAMG GT-R」、WECでは「ポルシェ911ターボ」、スーパーGTでは「トヨタGRスープラ」をオフィシャルカーとして採用。
ちなみにスーパーGTではドクターやレスキュースタッフが乗車し、アクシデントの際に救助活動を行うレスキュー車両には海外仕様の大型SUV「日産パトロールNISMO」が採用されるなど、そのほかのマーシャルカーに関しても自動車メーカーの協賛のもと、ひとつの車両が使われているが、その一方で、各サーキットも独自にセーフティカーを採用。各サーキットのシリーズ戦で運用されているのだが、果たしてどのような基準で、どのようなクルマが採用されているのか?
まず、鈴鹿サーキットおよびツインリンクもてぎを運営するモビリティランドに訪ねてみたところ「鈴鹿、もてぎともにホンダからの貸与でセーフティカーを運用しています。車種もホンダを象徴するクルマを基準にしています」とのことで、鈴鹿サーキットの鈴鹿クラブマンレース、ツインリンクもてぎのもてぎチャンピオンカップでは、ともに「ホンダNSX」が採用されている。
ちなみに各サーキットではハプニングの際に競技車両を先導するセーフティカーのほか、スタート時に最後尾から競技車両を追走して完全を確認するためのレースコントロールカーをオフィシャルカーとして採用しているのだが、これに関してもモビリティランドはホンダ社で統一。鈴鹿サーキットではFK8型/FK2型の「シビックタイプR」や「オデッセイ」、「フリード」、「フィットRS」が採用されるほか、ツインリンクもてぎではFK2型の「シビックタイプR」が採用されており、ともに回転灯とブルーのライトバーを備えるほか、高速走行に備えてロールバーや4点式シートベルト、さらに初期トラブルへの対応に備えて牽引ロープや消化器、オイル吸着マット、オイル処理剤などが搭載されている。