巨大化するする三輪トラックに拡大禁止の通達も
マツダが初めてリリースした三輪トラックは1931年に発売を開始したDA型で、「マツダ号」と名付けられていた。このマツダ号の燃料タンクには三菱のスリーダイヤマークが入っているが、これは販売を三菱商事に委託していたためである。
1951年に三輪車のボディサイズや排気量の制限が撤廃された後にマツダは、Tシリーズと呼ばれる新たな三輪トラックをリリース。もっとも大きなT2000では、排気量2000cc、全長6メートル超、全幅1.8メートル超という巨大なボディを持つまでに至った。
さすがにどんどん巨大化する三輪トラックに対して、運輸省(当時)は現在のサイズよりも拡大してはならないという通達を出すほどだったのである。
そんな三輪トラックも1970年代を最後に新車の販売は終了し、もっとも最後まで生産していたマツダも1974年を持って生産販売を終了している。
しかし、その小回り性能と三輪ならではの走破性の高さが林野業のユーザーに支持されており、生産終了を嘆く声も聞かれるほどだった。