多くは燃料として使用されている
タイヤメーカーの業界である一般社団法人「日本自動車タイヤ協会」のデータによれば、2019年の1年間での処理は本数にすると9600万本で、重量だと102万6000トンにもなる。これは前年と比較して本数は同数、重量は6000トン減少とのことで、車格が小さいクルマのタイヤ処分が多かったのだろうか。ちなみに処分は、取り替えと廃車からのふたつがあって、本数ではそれぞれ8100万本と1500万本となっている。
そして肝心の廃棄タイヤの行き先はというと、基本的には燃料として使われることが多い。その内訳で面白いのが製紙業で使われるのがかなり多いことで、そのほか、セメント生産というのが2番目となっている。
そのほか、燃やしてエネルギーを取り出すのではなく、そのものを素材として活用するというのもあって、再生タイヤのベースとなったり、再生ゴムの材料として使われる。また一部だが、砕いて埋め立てに使われたりもする。
問題はリサイクル率で、2019年は94%で、2018年からは3%ダウン。リサイクルされないタイヤすべてではないが、不法投棄は2020年の1月と2月で2万7000トンほど。減少傾向にはあるが、それでもなくなりはしないのが気になるところだ。
実際は燃料用としては足りないぐらいで、タイヤ片を海外から輸入しているのはなんとも微妙ではあるが、不法投棄を減らせばその分を国内でまかなえるようになるのではないだろうか。とはいえ、結論としては94%がリサイクルされているのは意外な結果で、処分代を払う意味はあるといってもいいだろう。