急に「ボロ感」全開になる古いクルマの塗装のクリア剥げ! 防ぐ方法は日頃のメンテにあった

定期的なコーティングやクルマを停める場所にも注意が必要

 新車ではさすがにないけれど、15年ぐらい経過したクルマでたまに見かけるのがクリア剥がれ。ボンネットやルーフが広範囲に白くてガサガサになっている状態で、明らかに劣化していることが見てすぐにわかるほど。

 塗装というのは、仕上げとしてクリアを吹いてあるのだが、最上部にあるそのクリア層が紫外線などで劣化してしまうのが原因だ。かなり深刻な原因なので、ワックスをかけてツヤを与えれば元に戻るなどはなく、傷んだ層を削って、再塗装するしか復活方法はない。

 ただ、すべてのクルマがなるわけではないというのがポイントで、手入れの仕方などで発生は十分に抑えられる。

 塗装というのは樹脂で、簡単に言ってしまうと油分が抜けてしまい、劣化する。これを防ぐためにはワックスで油分を定期的に補ってやったり、コーティングでガッチリと守ってやることが大切。放置しているとガサガサになるので、油分などを補うことで保湿したり、紫外線対策で保護してやるというのは人間の肌と一緒だ。

 やはり人間もクルマも放ったらかしで、ツヤツヤはしない。

 さらに、停め方も大いに関係している。クリアが剥がれたクルマを停めてある場所を見ると、直射日光にさらされているところが多かったりする。そうなると、塗装を劣化させる紫外線が大量に降り注ぐことになるので、できるだけ紫外線に当たらない場所に停めたり、無理な場合はボディカバーをかけたりなどの対策をしたい。

 最後に、じつはクリア剥がれは一部メーカーで起こりやすい。塗装が弱いとよく言われているメーカーなのだが、クリアを厚く塗ればいいというのではなく、塗膜厚はあまり関係なくて、塗料の質が問題。現在の新車が将来的に剥げやすいのかはわからないが、水性塗料への切り替えなどがどう影響するかは気になるところ。とくに、初期のころに水性塗料の剥がれは新車で起きているので、今後の耐久性については注目していきたい。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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