使用状況を考えると「高いスペック」が重要な要素
とはいえ、応札が一社になっているのは競争が働かないということで、警察庁も良しとしているわけではなく、条件を改定するなどして複数社の応札を求めている節はある。とはいえ、さまざまな装備を積み、また屈強な警察官も乗せた状態で逃走車両の追跡など緊急走行が必要となるパトロールカーには、通常の車両よりも高いスペックが必要であり、排気量などの条件を下げるのは難しいのも事実。そして「2.5L級4ドアセダン」という条件が外れない限り、結局はクラウン一択であり続けるのだろう。
噂の段階だが次期クラウンはセダンをやめてSUVスタイルになるという話がある。そうなると、近い将来に無線警ら車の要件を満たすモデルがなくなってしまう可能性も否定できない。たしかに従来の流れをみると、数年は旧型をそのまま生産して対応する可能性もあるが、いずれにしても無線警ら車の要件を見直さなければ、一社も応札しないという事態になってしまう。
また、日本政府としてカーボンニュートラルを目指しているなかで、いつまでもエンジン車にこだわった要件としておくこともあり得ないといえる。実質的な選択肢のなさ、カーボンニュートラルを目指す政策に合致させるといった背景から、無線警ら車の要件が変わってくる可能性はおおいにある。そうなれば、多様なモデルをベースにしたパトカーが登場する未来がやってくるかもしれない。
【12月14日13:30】一部記事内容を修正しました。