「ときどき乗る」程度であれば普通のハイオクガソリンで問題ない
いまはガソリンスタンドで売られているガソリンは、レギュラーもハイオクも「無鉛ガソリン」で、アンチノック性を向上させるための鉛=アルキル鉛は入っていない。
しかし、1972年3月以前に製造販売されていた国産車は、アルキル鉛を添加した「有鉛ガソリン」が指定されていた。
したがって、1960年代に登場した日産ハコスカ(C10)や日産フェアレディZ(S30)、トヨタ2000GTなどは、「有鉛ガソリン」仕様となっている。
こうした旧車たちには、どんなガソリンを入れればいいのだろうか。
旧車に有鉛ガソリンが指定されていたのには二つの理由がある。
ひとつは、前記のとおりアンチノック性を向上させる効果があったため。これは現在のハイオクを使えば解決できる。
もうひとつは、バルブシートの潤滑・クッション材としての役割。アルキル鉛を微量添加することでバルブシートを保護する効果も担っていた。
こちらは、市販の有鉛化添加剤(鉛の代わりにナトリウム化合物によって有鉛化効果を得るもの)を無鉛ガソリンに混ぜて使えば大丈夫。もしくは、バルブシートを無鉛ガソリン用に交換すれば、無鉛ガソリンを安心して使える。
ただし、毎日のアシに使うのではなく、週末、ときどき乗るような使い方なら、普通のハイオクガソリンを入れておけばほとんど問題ない。
市販のハイオク=無鉛なので、多少はバルブシートの摩耗が進むかもしれないが、そもそもバルブシートは消耗品。摩耗が進んでしまったら、そのときにバルブシートを無鉛用に打ち替えればいいし、いま出まわっている旧車なら、すでに無鉛用のバルブシートになっているクルマも少なくない。そうした記録が残っていれば、ハイオクを入れればいいし、バルブシートの交換の有無が不明でも、バルブシートが摩耗するまで、気にせずハイオクで走り続けて楽しむのが、いいのではないだろうか。