これからの自動車保険の在り方を先取りした画期的な内容
2020年11月11日、国土交通省が『世界初! 自動運転車(レベル3)の型式指定を行いました』と発表しました。その世界初の型式指定を受けたのはホンダのフラッグシップモデル「レジェンド」。ホンダによると自動運転レベル3に相当する自動運行装置の名称は『Traffic Jam Pilot(トラフィック・ジャム・パイロット)』となり、その機能を搭載したレジェンドの発売は2020年度中とアナウンスされています。
同日、自動車損保大手の東京海上日動火災保険は、『自動運転中事故での保険料負担を軽減~ノーカウント事故の対象範囲を拡大し、自動運転へ対応~』というニュースリリースを出しています。簡単に整理すると、自動運転レベル3の状態で走行中に交通事故が発生して保険金を支払った場合でも、契約者の保険等級は下がらないという内容になっています。等級が下がらないということは翌年以降の保険料も上がらないという意味です。
すでに2017年4月より東京海上日動火災保険は、自動運転中の被害者救済も考慮した「被害者救済費用等補償特約」を損保各社に先駆けて提供しています。この特約は、ハッキングなどを原因とする“運転手が法律上の賠償責任を負わない”事故であっても、その事故による被害者に保険金を支払うというもの。これも自動運転時代を見越した新しい提案です。
もちろん、これは多くの一般ユーザーが契約しているノンフリート自動車保険に限った話ですが、自動運転レベル3のクルマに乗っているからといって特別に契約する必要はありません。2021年4月以降に始期を迎える同社のすべてのノンフリート自動車保険を対象に“追加保険料”を負担することなく適用すると発表されています。
従来の契約のまま自動運転レベル3搭載車に乗り替えたとしても、きっちりと車両を変更するなど任意保険を書き換えておけば、問題なく適用されるというわけです。