それぞれに良し悪しがあるため路面環境に合わせて選びたい
スタッドレスが主流になってきたと思ったら、豪雪地域の通行規制ではタイヤチェーンを使わないとダメという場所が登場し話題になったのは記憶に新しいところだ。振動が大きいとか、脱着に手間がかかるなど、スタッドレスの性能向上に反比例して疎まれてきたチェーンの復権と言ってもいい。ただ、選ぶ際にはいろいろと注意点があったりするので、今回は整理してみよう。
まず一番重要というか、大切なのがタイプだ。チェーンには大きく分けて、スチール製とゴム製のふたつがある。どっちがいい悪いではなく、それぞれにメリット・デメリットがあるので、それを踏まえたうえで、自分の使い方や頻度、車種などに合わせて選ぶようにしたい。
まずスチール製だが、これは昔ながらのもの。メリットとしては価格の安さと、グリップ力が高いという2点が挙げられる。とくにグリップ力は、金属のチェーンが硬い氷にも破壊するように食い込むのでグリップ力が高くて当たり前といったところ。ただ、細かいことを言うと、スチール製の安い物はトレッド面がただ左右に直線になっているはしごタイプが多く、これだと路面にチェーンが当たっていない場所ができてしまう。ベストなのは斜めに交差している亀甲タイプで、これならつねにチェーンがグリップし続けるので安心、安全だ。
一方、スチールタイプでの最大のデメリットは、アスファルトが出てしまっている部分では振動が激しくて、速度を控えめにしても走るのが困難なほど。また路面にもキズが付いてしまう。さらに雪のないところを走ると切れる可能性があり、切れてしまうとホイールハウスやサスペンションを破損することがある。金属のチェーン、つまり鎖なので当たり前といえば当たり前だが、要は使用路面が限られるというのは頭に入れておいたほうがいい。また金属ゆえ、錆びることもあって、保管に気を使うのもデメリットのひとつだ。