カローラツーリングやマツダ6のほうが勝る点も
もちろんなくはない。そのひとつが燃費だ。新型レヴォーグのエンジンはリーンバーン燃焼も行う新設計の1.8リッターターボで、熱効率は世界トップレベルといえる40%に達しているという。なのだが、燃費はカタログ記載値のWLTCモードで13.6~13.7km/L(JC08モード16.5~16.6km/L)。実燃費は従来モデルに比べると向上しているとはいえ、昨今の新車としては胸を張って「優れている」といえるほどではない。
たとえばほかのステーションワゴンを見ると、トヨタ・カローラツーリングはレヴォーグほど走りを極めていないし車体もひとまわり小さいとはいえ、ハイブリッドモデルの燃費は4WD車でもWLTCモードで24.4~26.8km/Lを誇る。それ(ハイブリッド4WD)を選んでも、価格は267.8~299万7500円だ。
また、燃料コストを考えるとディーゼル車も魅力的な選択肢。マツダ6にはディーゼル車が用意されていて、カタログ記載の燃費は4WDモデルのWLTCモードで17.0km/L。高速道路では20km/L超えも狙えるし、燃料の軽油は単価が安いから財布にやさしい価格は355万3000円から429万5500円だ。
もうひとつ、ウィークポイントといえるのはトランスミッション。レヴォーグは従来モデル同様にCVTを組み合わせる。新型のCVTは新設計で、CVT特有の“すべり感”を意識しないレベルまでドライバビリティが高められているので多くの人は気にならないだろう。とはいえ多段式変速機のほうがしっくりとくる運転好きが少なくないのもまた事実かもしれない。
そんなドライバーにとっては、ロックアップ率の高い6速ATを組み合わせるマツダ6は魅力的。さらに、同車やカローラツーリングの1.2リッターターボモデルは6速マニュアルまで選べるのだから貴重な存在だ。はっきりいってそんなMTを選ぶのは一部のマニアに過ぎないのだが、そんな人たちのためにMTを残してくれているマツダやトヨタはありがたい存在といえるだろう。
最後に念のため書いておくが、燃費が多少悪かったり、トランスミッションがCVTしかなかったとしても、それはクルマ自体や完成度の高さを否定するわけではない。あくまで、そういう商品企画ということに過ぎないのだ。