前のアルファベットはモーターの搭載位置を指す
クルマのレイアウトを表す表現としてFFやMR、RRといった表記があるのは多くの方がご存じのとおり。このアルファベットは前の文字がエンジンの搭載位置を、後ろの文字が駆動輪を表しており、FFであればフロントエンジン、フロントドライブの頭文字、MRであればミッドシップエンジン、リヤドライブの頭文字を表している。
例外的に四輪駆動のモデルは4WD、もしくはAWD(オールホイールドライブ)と表記されるが、この表記を知っておけば多くのクルマがどんなレイアウトを持っているのか瞬時に判断することができるだろう。
では、エンジンを搭載しない電気自動車ではどういう表現になっているかというと、日産リーフはFF、ホンダeはRRと表記されている。
当然ながら後ろの文字が駆動輪を表していることは変わらず、リーフではあればフロント、ホンダeであればリヤが駆動するということになる。となると、前のアルファベットは何の位置を示しているのだろうか?
その答えは「モーター」ということになる。駆動力を発生させる動力源という意味ではエンジンと同様のモーターの搭載位置を表しているというワケなのだ。
ただ、モーターには出力などを制御するための「インバーター」というものが存在する。このインバーターはリーフであればモーターと同じくフロントに搭載されるが、リヤにモーターを搭載するホンダeも同じくフロントに搭載されている。
インバーターは電気自動車には必要不可欠なものではあるが、直接駆動させるものではないため、インバーターの位置は考慮されず、純粋に駆動用モーターがどこに搭載されているのかのみで判断されているということになる。
ただ、この表現もすでにフロントにエンジンを搭載しながら複数のモーターも搭載しているようなモデルも登場しており、一口にFFやFRといった表現ができなくなる時代になりつつあるのかもしれない。