レヴォーグはレガシィの正統な後継車か? 5代目ツーリングワゴンと徹底比較した! (1/2ページ)

引き締まったボディだが後席は大人が足が組めるほどゆったり

 スバル・レヴォーグが2代目の新型になった。先代に対して走りの進化は著しく、12.3インチのフル液晶メーターと11.6インチの縦型ディスプレーが基本のデジタルコクピットを採用。ついにハンズオフドライブを可能にした、3D高精度地図を用いたアイサイトXの搭載、またSTIスポーツのドライブモードセレクト、それをエアコン調整などとセットで顔認証システムを実現するなど、まさに先進のスポーツワゴンとしてデビューしたのである。

 もちろん、初代=先代レヴォーグとの比較も大切だが、ここではレヴォーグが日本市場においてレガシィツーリングワゴンの実質的な後継車であることに注目し、新型レヴォーグと、国内最終型の5代目レガシィツーリングワゴン(2009-2014)を比較してみた。

 まずはボディサイズだ。北米市場を見据えて大型化された5代目レガシィツーリングワゴンは全長4775×全幅1780×全高1535mm、ホイールベース2750mmだった。新型レヴォーグが全長4755×全幅1795×全高1500mm、ホイールベース2670mmだから、レヴォーグのボディサイズは20mm短く、15mm幅広く、35mm低く、ホイールベースは80mm短い……ということになる。

 パッケージングはどうか。身長172cmの筆者が5代目レガシィツーリングワゴンでドライビングポジションを決め、その背後に座ると、頭上に175mm、膝まわりに270mmものスペースがあった。一方、新型レヴォーグは同120mm、200mm(先代レヴォーグは同130mm、175mm)だから、さすがにクラス上のレガシィツーリングワゴンのほうが後席にゆとりがあったことがわかる。とはいえ、先代よりホイールベースを25mm伸ばし、そのすべてを後席居住スペースにあてた新型レヴォーグの後席でも、ボクの体形なら足が組めるほどゆったりできるのも事実。

 では、ワゴンとして重要なラゲッジスペースはどうだろうか。5代目レガシィツーリングワゴンは開口部地上高565mm、フロア奥行き1125mm、最小幅1080mm、天井高1130mm、後席格納時のフロア長は1970mm。

 新型レヴォーグは開口部地上高630mm、フロア奥行き1070mm、最小幅1065mm、天井高770mm、後席格納時のフロア長1640mm(すべて筆者の実測値)と、先代とほぼ同じスペースは、レガシィツーリングワゴンに敵わない。開口部の低さ=重い荷物の出し入れのしやすさでも、レガシィツーリングワゴンが上まわる。もっとも新型レヴォーグのラゲッジスペースは床下に機内持ち込みサイズのキャリーバッグがすっぽり入る収納を備え、最大561リットル(VDA)もの容量があり、アウトドアなどでの荷物の積載にも十分に対応してくれるはずである。

 パワーユニットについては、5代目レガシィツーリングワゴンには2.5リッターと2リッターターボがあり、新型レヴォーグの1.8リッターターボに近い2リッターターボと比較すると、レヴォーグは177馬力/30.6kg-m。5代目レガシィツーリングワゴンの2.0GT DITアイサイトは280馬力/36.7kg-m。だが、大人しめの2.5リッターモデルは173馬力/24.0kg-mだったので、新型レヴォーグは5代目レガシィツーリングワゴンの2.5リッターモデルを遥かにしのぐスペックを、ほぼ同等の車重にして備えていることになる。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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