【試乗】ランドローバー・ディフェンダーがフルモデルチェンジ! 高い悪路走破性と洗練されたデザインを融合 (2/2ページ)

力強い走りに納得! 追加設定されるディーゼルにも期待

 搭載しているエンジンは2リッター4気筒ターボ。これで車重2.3トンの巨漢を満足させられる動力性能を持ち合わせているのか気になった。振動もない静粛性の高いエンジンと8速ATが組み合わされて、ゼロスタート加速の1速〜2速は軽快で重さによるストレスはまったく感じさせない。さぞかしローギヤードなギヤ比設定で発進時の重々しさを軽減しているのだろう、速度計に目をやると、1速50、2速75km/hと、とくにローギヤではなく、低速トルクを重視したエンジン特性のなせる技だった。

 タイヤが地面から離れるほどのモーグルセクションを、ファイナルをウルトラローギヤードな仕様に変速して、まさに歩くような速度で小山、大山、こぶ、段差を次々に走破する様が小気味いい。ディーゼルが得意とするシーンをガソリンエンジンでもここまで柔軟にこなせる、というエンジンの持ち味を再確認させられた感がある。

 300馬力/400N・mの出力は、2Lターボとしてスポーツユニットに分類されるスペックの持ち主。6500rpmで自動シフトアップする回転リミット付近のフケ切りの鋭さと、5500rpmでさらにカムに載った豪快なスポーツサウンドも、大型SUVのパワーユニットとしては上質でジェントル過ぎる印象。

 もっとエンジン特性を含めて底力というか、荒々しさがあっても、と思うが、それは2021年モデルに追加するディーゼルを確認してからが、間違いは起らない。

 操縦性は、ランドローバー、レンジローバーの規準なので、まったく異論などない。唯一、右ハンドルの国で生まれていながら、つまり右ハンドル仕様に仕立て直した訳ではないのに、ブレーキペダルのセンシティブさには閉口したが……。

 イギリスにはこうした弾力性に富んだ!? ブレーキ特性、フィールのセダンが過去にはあった。何故そのフィールが“復活”したのか疑問!? ここは要改善ポイントだが、おそらく各国から指摘されていると思う。

 ディフェンダーの名が誕生してから37年ぶりの2代目は、あまりにもモダンに前衛的に生まれ変わった。モデル・バリエーションが少ないメーカーならいざ知らず、ランドローバー、レンジローバー含めて多種多用に揃えるなかで、ディフェンダーの個性は、というともっと野暮ったくて良いのではないか。ディフェンダーに関してシロウトながら、極めて洗練されたクリーンな新型ディフェンダーを眺めながら、歯応えのない、噛み応えの薄さから、そんな想いに浸った。違うパワーユニットはどうか!? 答えはソコにあるのかも知れない。


新着情報