中古で手に入れた場合は修理費が高額になることも……
一方で、ぶつけてしまったときなどの修理については、輸入車は国産車よりコストがかかる印象もあるだろうが、塗装などの鈑金コストについては意外に変わらない。そもそも、実際に作業する業者は国産でも輸入車でも同じだったりするからだ。
ただし、純正部品の価格は冒頭でも触れたように輸送費がプラスされる分だけ高く感じることもある。それよりも気になるのは納期のほうで、物によっては数カ月待ちとなるため、その間愛車に乗れないことがあったりするほうが残念に感じるのではないだろうか。なお、部品代については、サードパーティー製の純正相当品を個人輸入などのワザを駆使することでかなり安く抑えることができる。こうした工夫する余地があるのは国産車との違いといえるかもしれない。
というわけで、新車購入で最初の車検までの3年間限定で考えると輸入車のメンテナンスコストは気になるものではないというのがひとまずの結論。そのままメンテナンスパックをうまく利用していけば、さほど維持費がキツイと感じることはないだろう。
ただし、中古輸入車を買う場合の話は変わってくる。輸入車全般にいえることだが、リセールバリューはけっしてよくない。つまり、新車時には高価だったモデルも中古になるとかなり手が届きやすくなる。それはそれで、輸入車ファンからするとうれしいことなのだが、その価格に魅かれて年式の古くなった輸入車に手を出すと、想像できないほどのメンテナンスフィーを請求されて驚くことがあるのも事実だ。
欧州車の多くは消耗品として捉えるべき範囲が広く、ブレーキローターやエンジンマウントの交換サイクルも国産車に比べると短い。そうしたメンテナンスを先送りにしてきた個体に当たってしまうと、中古で購入後、最初の車検でウン十万円という見積もりが出て、とても払えないとなってしまうこともある。そうしたユーザーが「法外に高い」だとか「ぼったくり」といった発言をSNSなどですることも、輸入車の維持費はべらぼうに高いという印象につながっているのかもしれない。