輸入車の維持費は国産車より高い? 長年の「金食い虫説」に結論! (1/2ページ)

車種によっては国産車よりも安いケースも

 輸入車が欲しいというと、「維持費がかかるんじゃないの」とアドバイス(?)をしてくれるクルマ好きの先輩というのは少なくない。たしかにメンテナンスに用いる部品のひとつひとつも輸入品であれば、その価格に輸送費のコストが載ってくるというのは資本主義経済的には避けられないことであるし、また輸入車ディーラーはそもそも富裕層相手のビジネススタイルだったこともあって、整備の時間工賃も高く設定されている傾向があるというのも事実だろう。

 とはいえ、少なくとも昨今の輸入車を新車で購入するというのであれば、維持費的な意味でのメンテナンスコストについては無視して構わない。なぜなら、多くの輸入ブランドにおいて新車から3年間の無償メンテナンスが新車価格に含まれていることが増えているからだ。

 たとえば、BMW全車に標準装備されている「BMWサービス・インクルーシブ」の場合、新車購入時から最初の車検までの3年間におけるエンジンオイル/フィルター、スパークプラグ、ブレーキフルード、エアコンフィルター、ワイパーブレード、エアクリーナエレメントなどの交換メニュー、さらに法定定期点検などが含まれている。

 同様のサービスは、メルセデス・ベンツであれば「メルセデス・ケア」と呼ばれているし、ジープでも同様のサービスがあり、輸入車においてはけっして珍しいものではない。輸入車というと新車価格が割高に感じる面もあるが、じつは3年間のメンテナンスコスト込みでの販売価格だったりすることが増えている。

 では、新車時に付帯できる有料のメンテナンスプログラムの場合は、やはり輸入車は高コスト傾向にあるのだろうか。その一例として、「プジョー・メンテナンス・プログラム」の価格を調べてみよう。このメンテナンスプログラムの内容は2回の法定12カ月点検、2回のエンジンオイル交換、2回のワイパーブレード交換、1回のスパークプラグ交換、1回のエアフィルター交換などを含めたベーシックコースで、4気筒エンジン車の価格は税込み11万8800円となっている。

 この価格設定はかなりオトクなもので、国産コンパクトカーで同等のメンテナンスを実施するとして考えると、じつはほとんど変わらないか、むしろプジョーのメンテナンスプログラムのほうが安かったりする。国産系ディーラーで用意しているメンテナンスパックはオイル交換の頻度は多いが、ワイパーやエアコンフィルターなどは別料金となっているため、むしろディーラーメンテで考えると輸入車のほうがリーズナブルと感じることもありそうだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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