内外装に磨きをかけて静粛性と乗り心地も追求
レクサスは、フラッグシップセダンであるLSの改良モデルを発表。11月19日より発売を開始した。なお、後述する最先端の高度運転支援技術「アドバンスド・ドライブ」搭載モデルは、2021年の発売を予定している。メーカー希望小売価格(税込み)は、LS500が1073万円〜1580万円、LS500hが1219万円〜1728万円。
現行LSは、2017年にフルモデルチェンジ。5代目となり、クーペライクなスタイリッシュさを与えられ、走りも磨き上げたモデルとして支持されている。今回の改良では、上質な走りを深化させ、基本である静粛性と乗り心地をとことん追求した。
具体的にはタイヤの内部構造からシートに座ったときの質感、日常での加速レスポンスなど、静粛性や乗り心地に関わる箇所を細部にまでこだわり作り込んでいる。パワートレインは、3.5リッターV6ツインターボエンジンに手を加えており、使用頻度の多い走行領域にてエンジントルクの立ち上がりを向上。電動駆動制御のウエイストゲートバルブのバルブ開度制御を緻密化。アクセル操作に対して発生するエンジントルク精度を高めることで、車両の加速レスポンスを向上させた。トランスミッションはシフトスケジュールを変更。ギヤを変速せずそのまま加速できる領域を拡大することで、不要なシフトダウンを減らした。
また、燃焼室形状を最適化させることで燃焼効率を向上。これにより、出力はもちろん燃費や静粛性も向上している。コンロッド形状の最適化、クランクシャフトピン径の拡大により、軽量化と燃費性能を向上させている。また、可変バルブタイミング機構(VVT)を油圧制御化して軽量化。オイルコントロールバルブをVVT内部に配置するセンタースプール構造として油路を短縮。応答性を向上させた。
そのほか、減衰力可変ダンパーAVSは新設計の油圧制御用ソレノイドのオイル流量制御バルブの流路を合っくだい。これにより減衰力を低減し上質な乗り心地を実現。また、減衰力の可変幅拡大により、高い操舵応答性や安定性にも貢献する。
ランフラットタイヤは縦バネ剛性、スタビライザーバーのばね定数、バウンドストッパーの先端剛性を最適化。エンジンマウント内のオリフィスを変更することで、室内に伝わる振動や衝撃を低減させた。
2WD車のフロントサスペンションは高強度アルミ鍛造アームに変更、タイヤの質量低減によってバネ下質量の3.5kg軽量化に貢献。路面からの入力をボディに伝わりにくくしたことで、乗り心地を向上させている。
エクステリアデザインにも手が加えられている。レクサスのデザイン思想である、その時々の美しさを感じられる日本ならではの美意識を表す考え方「Time in Design」を追求。新型LSは「月の道」という自然界の神秘的な情景をモチーフに、内外装をトータルコーディネートした。
フロントバンパーにはオーバーハングが短く見えるよう、コーナー部に縦基調のキャラクターラインを配置。ヘッドライトは新意匠の小型3眼ランプユニットを採用しつつ、L字をさらに際立たせたクリアランスランプの下にブレードスキャンAHSを搭載した。サブラジエータグリルはスクエア形状として外側に配置。これによりスタンスの良さを追求する。レクサスの象徴であるスピンドルグリルは、メッシュカラーをダークメタリックに変更したことで上品さを表現している。
リヤビューは、テールランプのメッキモールをピアノブラックに変更。ヘッドライトと調和させて存在感を際立たせた。
スポーティグレードとなるF SPORTでは、サブラジエータグリルのガーニッシュをサイドまで回り込ませ、ワイドさをさらに強調。スピンドルグリルは専用色となり、20インチアルミホイールも専用品として装着される。
ボディカラーには、ハイライトの美しい輝きと深い陰影が特徴のシルバー「銀影ラスター」を新開発した。アルミフレークを含んだ塗料の体積を凝縮させるソニック工法を応用。蒸着アルミを高密度で敷き詰める最新の塗装技術により、鏡面のように粒子感をほとんど感じさせない質感を与えている。
インテリアにもこだわりが投入。ハンドルとセンターコンソールのスイッチなどをブラックで統一。視認性の向上とスタイリッシュな雰囲気を与えている。また、使用頻度の高いシートヒーターやステアリングヒーターの操作画面をすぐに表示できるよう、スイッチをセンターコンソールに設けて利便性を高めた。
マルチメディアシステムは、タッチパネルディスプレイを採用。スマートデバイスリンクやアップルカープレイ、アンドロイドオーディオにも対応し、12.3インチの大画面でスマートフォンを操作可能となり、利便性も大きく向上させた。
また、オーナメントにはプラチナ箔&西陣を新規設定、西陣織の銀糸やプラチナ箔の輝きが、月明かりに照らされる波のゆらぎによる「月の道」を表現している。
もちろん、安全装備も抜かりはない。レクサスセーフティセンス+Aは進化し、プリクラッシュセーフティの対応領域を拡大。交差点右左折時に前方から来る対抗直進車、右左折時に前方から来る横断歩行者の検知も可能となった。また、低速時の衝突回避や被害軽減をサポートする低速時加速抑制などの機能も追加されている。加えてカメラで主要な道路標識を読み取り、メーター内に表示させるロードサインアシストは、最高速度120km/hまで対応し表示可能となった点も見逃せない。
2021年に発売が予定されているアドバンスド・ドライブは、最新の高度運転支援技術により、高速道路などの自動車専用道路において、ドライバーの監視状況のもとで、実際の交通状況に応じて車載システムが適切に認知・判断・操作を支援。車線・車間維持、レーンチェンジや分岐走行、追い越しなどを実現してくれる。ドライバーはアクセル&ブレーキ操作、そしてハンドル操作も開放され、長時間の運転における疲労軽減に貢献してくれる。
スムースな駐車をサポートしてくれるアドバンスド・パークも採用。カメラと超音波センサーにより、車両全周囲を監視して適切な認知・判断・操作を支援してくれる。ハンドル操作・アクセル&ブレーキ、シフトチェンジの全操作を車両が支援しつつ、俯瞰映像が車両周辺の死角や目標駐車位置などをつねに表示させて安心・安全でスムースな駐車を実現した。
ラインアップは3.5リッターV6ツインターボを搭載するLS50、3.5リッターV6+モーターを採用するLS500hの2タイプ。それぞれにIパッケージ、Fスポーツ、バージョンL、エグゼクティブの4グレードが用意されている。各モデル、2WDのみならず4WDも設定されている。各モデルのメーカー希望小売価格(税込み)は下記の通り。