GMとの共同企画で生み出された北米生産のモデルも存在!
トヨタというブランドにはコンサバなイメージが強い。50年以上の歴史を持つモデルも「カローラ(登場は1966年)」、「クラウン(同1955年)」、「ランドクルーザー(同1954年)」と数多い。とはいえ、その一方で短命なモデルも存在する。
最近でいえば、スライドドア・コンパクトカーの「タンク」は4年足らずで、そのモデルライフを終わらせている。もっともタンクの場合は、販売チャンネルの統合によるモデル整理という側面もあるので特殊なケースともいえるが、トヨタにはチャレンジングな面もあり、タンクのように一代で終わってしまったモデルも少なくないのだ。
そうして記憶の彼方へと消えつつあるトヨタのクルマを、ここでは独断と偏見で5台ピックアップしてみた。はたして、あなたは何台覚えているだろうか?
1)ヴォルツ(2002~2004年)
トヨタらしからぬバタ臭いスタイリングのSUV。北米で生産された輸入車で、そもそもはGMとの共同企画として生み出されたモデルだったりもする。その車名は電圧を示すVOLTに由来するものだが、エンジンは2種類の1.8リッターを搭載していた。その生産を担っていたのはNUMMI(ヌーミー)と呼ばれた、これまたGMと合弁で設立した工場だったが、その後閉鎖され、現在は電気自動車専業メーカーであるテスラのファクトリーとなっているのは何かの縁だろうか。
2)セプター(1992~1996年)
さて、トヨタがGMとの共同プロジェクトとしてNUMMIを設立したのは、アメリカから自動車に関する貿易赤字に対する風当たりが強く、その対策という面もあったが、その以前にはアメリカで生産したクルマを日本に輸入して発売することで貿易赤字を解消しようという動きがあった。そうした時代を考えると、V6エンジンを搭載する北米カムリを「セプター」という名前で日本に導入した背景が理解できるだろう。なお、北米生産されていたのはステーションワゴンとクーペで、セダンは国内生産。3リッターV6のほか2.2リッター直4のバリエーションもラインアップされていた。