「事故」がカードトラブルで「記録されない」事例も結構ある! 対策品「ドラレコ専用メモリーカード」の中身とは (2/2ページ)

監視カメラ用などを応用した強化品が登場している

 そこでこうしたトラブルを軽減するために誕生したのが「高耐久型(HIGH ENDURANCE)」micro SDカードである。元々は監視カメラのように、つねに書き込みと消去を繰り返す産業用として開発されたものだが、使い方としてはドラレコも同じ。そこでこれをドラレコ用としても提供されるようになっているのだ。

 ケンウッドから発売されている「pSLC方式」のメモリーカードは、ひとつのメモリーセルに1ビットの情報を記録できる方式を採用しており、ひとつのメモリーセルに2ビットの情報を記録する一般的な「MLC方式」に比べて約10倍(約2万回)の書換えができるという。これが高頻度の書き換えに強く、高いデータ保存性を発揮するというわけだ。

 ただ、このmicro SDカードは価格がとても高い。耐久性が10倍ということもあるのか、32GBで比較すると一般的な製品と比べておおよそ10倍ぐらいはしている(ケンウッド「KNA-SD32A/32GB」で1万円近い)。安いドラレコなら一台買えてしまいそうな価格だ。とはいえ、いざというときのトラブルを考えれば選ぶ価値は十分あるとも言える。

 それでもここまでの費用は出したくないという人もいるだろう。そこで一般的なmicro SDカードを使う上で最低限心掛けてほしいことがある。それは定期的にカードのメンテナンスを行うことだ。具体的にはドラレコ本体でフォーマットをかければいい。ドラレコによってはフォーマットの告知機能を備えている機種もあり、これを行うことで積もり重なった記録上の“ゴミ”を取り去ってほぼ新品の状態に復帰できるのだ。

 フォーマットのタイミングは走り方にもよるが、1000km程度走った後か、1カ月に一度程度か、どちらか先に到達したタイミングで行えばよいのではないかと思っている。ただ、フォーマットをかけるとすべてのデータが消えてしまうので、消したくないデータがあるときはその前に必ずバックアップを取っておくことをオススメする。面倒かもしれないが、肝心なときに記録されていないトラブルに見舞われないためにもぜひ心掛けてほしい。


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