技術の塊のようなハイブリッドモデルも惜しい!
2)トヨタMR-S
国産の量産乗用車として初めてミッドシップレイアウトを採用したMR2の実質的な後継車種として1999年にリリースされたMR-Sは、それまでの過給機付き(初代はスーパーチャージャー、2代目はターボ)モデルを廃し、1.8リッターのNAエンジンのみとした。
さらにボディタイプもクローズドボディ(Tバールーフ仕様はあったが)から、オープンモデルへと変貌を遂げ、ミッドシップレイアウト以外は大きくキャラクターを変えている。
しかし、ミッドシップレイアウトによる運動性能の高さは折り紙付きで、同時期のロードスター(2代目)よりも軽量なボディを活かした軽快な走りは決して従来モデルやライバル車に劣るところはない。
そしてMR-Sは国産量産車初の2ペダルのシーケンシャルマニュアルミッションを採用した車種でもあり、もう少し評価されてもよいモデルの1台だ。
3)ホンダ・インサイト(初代)
初代プリウスを追いかけるように1999年に発売されたハイブリッドカーのインサイト。プリウスがスタンダードな4ドアセダンスタイルだったのに対し、インサイトはなんと初代、2代目のCR-Xを思わせる2ドア+ハッチバックのクーペスタイルというホンダらしい形で登場したのだった。
さらにリヤタイヤは空気抵抗を抑えるためにスパッツでカバーがされ、乗車定員は2名、そしてボディにはNSXで培った技術を使ってアルミニウムを多用し、車両重量は800kg台を実現。その結果、カタログ燃費は当時の世界最高となる35.0km/Lを達成していた。
さらにホンダらしい点は、ハイブリッドモデルながら5速MTが設定されていたという点だ。2010年に登場した実質的な後継車種であるCR-Zも含め、良くも悪くもホンダらしい車種だったのである。