WEB CARTOP | 独自の企画と情報でクルマを斬る自動車メディア

いまや「当たり前」装備の「コネクテッド」機能は各社大きな違いがある! 本当に使える「繋がるクルマ」の選び方とは

いまや「当たり前」装備の「コネクテッド」機能は各社大きな違いがある! 本当に使える「繋がるクルマ」の選び方とは

車載通信機を装備するものとスマホに接続するものに大別される

 これからの時代は、クルマにコネクテッド機能が付いていることが求められる。車内にいても、車外とつながっている安心感は絶大だ。専用ナビを装備することで、インターネットに接続できることはもちろん、車載のマイクとスピーカーを使い、オペレーターサービスでオペレーターに走行中にナビの目的地を遠隔設定してもらい、近くの修理工場を教えてもらうこともできる。体調不良、事故などの万一の際はヘルプネット、SOSコールで消防、警察に取り次いでくれるし、ドクターヘリを呼んでくれたり、車両の故障時には専用ボタンでオペレーターに接続できたり、あらかじめ自宅でスマホを使い、目的地設定をクルマのナビに送信できたりと、その便利さと安心感はハンパじゃない。なにしろ、乗員が気を失っているような場面でも、オペレーターの呼びかけに応じない場合は、緊急車両を手配してくれるのだ。

 どうして自車の場所がわかるのかと言えば、GPS機能によって、オペレーターはこちらのクルマの位置を特定できるからであり、一刻を争う、生死を分けるような場面でも、迅速な対応が期待できるというわけだ。

 実際、筆者も試乗の仕事でコネクテッド機能のついたクルマで遠路、ロケ先に向かう機会も多いのだが、出発する前から「何かあっても安心」という、大いなるゆとりが生まれることを実感している。

 さて、現在のクルマのコネクテッド機能は大きくわけてふたつある。ひとつは、DCMと呼ばれる、ドコモ、au、ソフトバンクのSIM=車載通信機を装備しているタイプ。そして軽自動車やコンパクトカーの一部にある、DCM未搭載のスマホ接続前提のタイプだ。DCMでも、新車から3年間などの無料サービスが付帯するケースもあるが、どちらにせよ、スマホやタブレット同様、別途、通信料金はいずれ発生する。さらに、ダイハツ・ロッキーのように、コネクテッド機能にスマホ接続は必要なものの、車内Wi-Fi機能(月/1GBまでは無料。それ以上は別途課金)を用意している車種もある。

 やはり、理想はDCM=車載通信機付きである。スマホの通信量、ギガを気にせず利用でき、また万一、スマホをもち忘れてクルマに乗ったとしても、つながることができるからだ。DCM=車載通信機付きのデメリットとしては、自動運転でのハッキングの脅威、価格UP、乗り換え時の個人情報データ消去の必要性、そして手持ちのスマホとは別に、サービス料金、通信料を払わなくてはならないコスト面だが、運転初心者、シニアドライバーにとって、本人はもちろん、家族も安心していられるメリットのほうが上まわるとも思えるのだ。

 コネクテッド機能搭載のクルマに乗って、日常的に一番役立った経験としては、やはり先に触れた、ナビの遠隔設定だ。最新ナビはたしかに多機能で便利だが、安全上の理由から、走行中の操作が制限される。走行中、目的地を変更するといったことは、停車しなければ難しい。高速道路を走行中ならなおさらである。それを、オペレーターサービスに接続し、口頭でリクエストし、遠隔で設定してくれるのは、じつにありがたい。コネクテッド機能でも、オペレーターサービスは必須と言っていい。

 が、運転初心者などが、クルマのトラブルなどで困ったようなケースでは、オペレーターサービスでは100%の解決は望みにくい。そんなときに有効なのが、ホンダ・フィット、スバル・レヴォーグなどにある、オペレーターサービスボタンとは別のトラブルサポートボタン(フィット)、SUBARU iコール(レヴォーグ)で、こちらはクルマのトラブル、メカに強いスタッフが対応してくれるから、日常的に頼りになることは必至。

 最近は、高級車だけでなく、トヨタ・ヤリスのようなコンパクトカーにも、専用ナビとセット、という条件はあるものの(専用ナビもずいぶん手ごろな価格になっている)、充実したコネクテッドサービスが付帯され、基本サービスのほか、マイカーサーチPlusを申し込めば、盗難時などの車両位置追跡や警備員の派遣まで行ってくれるのだから安心・完璧だ。しかも、ヤリスの場合、基本的なサービス利用料は5年間無料!

 6年目以降でも年払いで3300円、月払いで300円という利用料だからうれしいではないか。これからのクルマ選びは、デザイン、性能、価格はもちろんのこと、コネクテッドサービスの充実度、使い勝手の良さ、利用料金で選ぶ時代にもなりそうである。というか、クルマのコネクテッドサービスが、万全のセキュリティとともに当たり前になるのは、もう間もなくだろう。

画像ギャラリー

WRITERS

モバイルバージョンを終了