オデッセイらしさをとことん追求! チーフエンジニアがマイナーチェンジに込めた思いとは (2/2ページ)

走りやすさにもこだわって仕様変更を実施

──オデッセイは走りを圧倒的な強みとしていますが、その走りの進化は?

長:タイヤを変更し、それに合わせて電動パワーステアリングのセッティングも変えています。

──タイヤはサイズが変わっていますね。

長:17インチも18インチも偏平率を上げています。装備を充実させた分、車重が重くなりましたので、タイヤの負荷率をそれに合わせています。乗り心地を良くする狙いもあります。

また、オデッセイは従来も少しずつ走りを進化させてきたのですが、ステアリング操作が重いという女性ユーザーの声がありましたので、若干軽くしています。

──軽自動車でも同様の傾向が見られますが、やはり女性ユーザーの声は強いのでしょうか?

長:ミニバンは平日が奥さま、休日がご主人さまというパターンの方が多いんですね。オデッセイのこのサイズを決めた一因もわれわれが「奥さま価値」と呼んでいるその点にあります。アルファード/ヴェルファイアは、奥さま方はあのボディを見て「大きすぎる」と萎縮してしまうんですね。

──実際の寸法は、高さ以外はオデッセイとさほど変わらないと思いますが……。

長:そうなんですよ。感覚的に恐怖心を抱いてしまうんですね。

──サスペンションのセッティングはどうですか?

長:車高の10mmアップに合わせてスプリングを変えています。ただし硬さは変えていません。

──ホイールのデザインも非常に凝っていますね。

長:今回の18インチのホイールは、従来はガソリン車にのみ装着されていたのですが、それを売れ筋であるハイブリッド車にも適用しましたので、これからはもっと目にする機会が増えると思います。17インチホイールは新しいデザインです。

──フロントフードが80mm上がっているとのことですが、歩行者保護には有利でも、空力面では不利に働くと思われます。

長:バンパーの下側に入った空気をホイールハウスの後ろに逃がすためのスリットを、バンパー左右両端の裏側に新たに設けています。空力に関しては、今はひとつひとつの細かなフィンの付け方やRの掛け方で敏感に反応しますので、そういった所を突き詰めています。ですのでCdAの値は増えましたが、Cd値はマイナーチェンジ前と変わっていません。

──次の世代でのさらなる進化も期待しています。ありがとうございました。


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

愛車
ホンダS2000(2003年式)
趣味
ゲーム
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