オーナー数よりメンテナンスされてきたかがポイントになる
中古車店の店頭に並ぶ車両にはさまざまなアピールポイントが記載されている。それはグレードや、走行距離、年式といった基本的なものから、ナビやエアロパーツ、アルミホイールといったカスタマイズパーツまで幅広い。
そんななかでもひと際誇らしげに記載されていることが多い「ワンオーナー」という文字。これは、その文字の通り、過去に1人のオーナーしか所有していないクルマという意味を持つ。
つまり、新車で購入して大切に乗られてきたという意味合いが強く、複数オーナーを経てきた個体よりも状態が良いことを暗に示しているというわけだ。
しかし、ワンオーナーと複数オーナーの違いは重要視されるのに、複数オーナー車は何人のオーナーを経ているのかはあまり重要視されていないように思える(一部の旧車などでは“ツーオーナー車“のような表記がなされることもあるが)。
これにはさまざまな理由があるが、そもそも複数オーナーの車両に関して、過去のオーナー数をカウントするという作業がなかなかに面倒という点が挙げられる。ワンオーナー車であれば、車検証や記録簿などから裏付けを取ることもできるが、複数オーナーとなると一筋縄ではいかなくなってきてしまう。
そもそも複数オーナー車を購入するときに、過去に何人のオーナーが存在していたかを気にする人がほとんどいないという点も理由のひとつとして挙げられるだろう。
では実際に複数オーナー車で、過去のオーナー数が多い車両は状態が悪いのか? と言われるとなかなか難しいところ。たとえば一般的な中古車店に並ぶような状態の車両だった場合、新たなオーナーが現れて納車されるとなれば納車前の点検は実施され、不具合箇所は修理されるハズ。となると、オーナー数が多い個体のほうが点検の回数は多いということになる。
逆に市場価値がほとんどなく、個人売買などでオーナーが変わり続けた個体では、しっかりメンテナンスもされてきていない可能性があり、悲惨な状態になっている可能性もあるだろう。
つまり複数オーナー車に関しては、何人のオーナーを経てきたのかよりも、どれだけしっかりメンテナンスがされてきたのかが重要となる。だからこそ複数オーナー車については過去のオーナー数が話題に上らないということなのだ。